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Book Review

読者モニターレビュー 【ふじわらともこ様(色彩、デザインディレクション、芸術教育(こども))】

 私達が暮らす「まち」は、
生き物かもしれない。
そう実感し、新たな視点がみつかる一冊です。

 2018年は、未曽有の災害に見舞われた年でしたが、
力学的視点に重点が置かれた構造物でさえも
自然の猛威にはあっさりと
のみ込まれてしまう現実を
見せつけられました。

災害により
直視せざえるを得なくなった「まち」の生態。

そんな病に侵された「まち」の姿についても
紹介されていたのは興味深く感じました。

 さらに、生き物の進化の観点から
都市(まち)の未来についても
著者は語っています。

 災害の多かった今年、
改めて都市(まち)を生き物の観点から
みつめ直してみることは、
この国に住む私達に与えられた「宿題」
かもしれません。

私達が暮らす「まち」は生き物なのだからー
★~~~~~
 個人的にも文系の私でも読みやすく、本の装丁次第で研究書だけのカテゴリーで販売されるのは、勿体ないのではと感じるほどでした。著者の文章はとても読みやすく通勤途中でもあっという間に読めそうです。

  生き物から学ぶ まちづくり
-バイオミメティクスによる都市の生活習慣病対策 -

谷口守 筑波大教授 工博 著

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発行年月日:
2018/10/10
判 型:A5
ページ :128頁
ISBN:
978-4-339-05260-2
定 価: 1,944円
(本体1,800円+税5%)

Book Review

読者モニターレビュー 【濵村一航(博士課程学生,専門:量子情報理論)】

本書はタイトルの通り観測に基づく量子計算,いわゆる測定型量子計算を題材としている本です。
測定型量子計算はゲート型量子計算や断熱量子計算とならぶ量子計算のモデルの1つで,その特徴はリソース状態と呼ばれる”量子的”な状態を準備するプロセスと,測定というプロセスの二種類に分けていることで,理論的に非常に扱いやすいというメリットがあります。それだけではなく,実験的にも測定型量子計算に向いている物理系があるため,測定型量子計算は理論・実験の両面から重要なモデルだと言えます。
測定型量子計算は物性物理・誤り耐性量子計算・古典統計物理学・セキュアクラウド量子計算・計算量理論と様々な分野と関係があり本書の話題は多岐にわたります。さらに本書の後半では日本の量子計算理論を代表する著者ら自身の結果にも触れていて,この著者らにしか書けない本です。
量子計算理論に関心がある人は必読だと思います。

  観測に基づく量子計算

小柴健史 埼玉大教授 博士(理学) 著

藤井啓祐 東大助教 博士(工学) 著

森前智行 群馬大助教 博士(学術) 著

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発行年月日:
2017/03/10
判 型:A5
ページ :196頁
ISBN:
978-4-339-02870-6
定 価: 3,024円
(本体2,800円+税5%)

Book Review

なつき 様

自然言語処理に関する入門書としては非常にわかりやすく、独学でも理解できました。「もう少し詳しく知るには」や参考文献の充実の他、演習問題の解答もしっかり掲載されていたのがよかった。この本で説明されている理論からプログラムにおける実装につながる参考書があればぜひ購入したい。

  自然言語処理の基礎

奥村学 東工大教授 工博 著

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発行年月日:
2010/10/28
判 型:A5
ページ :164頁
ISBN:
978-4-339-02451-7
定 価: 2,268円
(本体2,100円+税5%)

Book Review

増渕基 橋梁エンジニア(ドイツ在住),博士(Dr.-Ing.)

本書のレビューの執筆依頼を頂いたのは2018年5月,ロシアでサッカーのワールドカップが始まろうかという時だった.南ドイツに住む私は,大会前最後の日本代表の試合が近所のインスブルックで行われると聞いて,応援しに行くことにした.

スタジアムまでの車を走らせながら,ふと,どうすればもっと日本の橋梁デザインが良くなるかを考えていた.

とある世界的なスターエンジニアという「個」が,長崎に美しい歩道橋を架けても,それだけで日本の橋梁デザイン全体が劇的に良くなるわけではない.

景観工学の発展とともに,「全体」の底上げは確かにされてきた.しかし,それで世界から注目を受ける美しい橋が日本に次々と生まれてきたかと言えば,そうとは言えない.

試合開始のホイッスルの音で,ハッと我に返り,目前のフィールドに目をやる.

二十年前から比べれば日本代表は本当に強くなった.聞くところによると,海外リーグでプレーする選手が大半を占めているそうである.高い情熱と志を持って,リスクを恐れず海外で挑戦する.これは「個」についての話.一方,大会直前での代表監督解任のニュースが話題になったが,つまるところこの騒動の争点は,継続的な哲学の欠如,ひいては将来的なビジョンの欠如うんぬんであったように思う.これは「全体」についての話.個と全体が絡み合いながら,日本代表はここまで強くなってきたのであろう.

ところで,「個」と「全体」の関係性と言う意味では,橋梁デザインでも同じことが言えるのではないか,と思い至ったのは,試合終了間際,香川選手がダメ押しのシュートを決めた時だった.

さて,前置きが長くなったが,本書である.

フランスやドイツで起こったコンクリートの黎明期から,スイスのマイヤールの挑戦,ドイツのアウトバーンに始まる橋梁景観設計の萌芽,と多岐に渡るテーマが取り上げられた前半.そして日本で著者の鈴木さんが設計されてきた橋梁デザインについて書かれた後半.

本書はこのように国と時間,人をまたぐ幅の広い論考が一冊にまとまった大変ユニークな本である.橋梁デザインの歴史あるいは教科書であり,著者の作品解説集でもある.章ごとに分かれていて,それらは短かくまとまっているので読みやすく,どこからでも読み始めることができる.

前半のこの一見,散文的とも言える多岐に渡る論考を,橋梁デザインにおける「個」と「全体」という点から整理してみよう.

「個」の事例としてスイスのエンジニア,ロベール・マイヤール(Robert Maillart,1872-1940)が取り上げられている.

高い情熱と志を持って,リスクを恐れずに挑戦し続けたエンジニアとして,マイヤール以上の人物はいない.サルギナトーベル橋,シュバントバッハ橋,テス橋,・・確かにマイヤールは人類史に残る傑作を残してきた.しかし,マイヤールの真骨頂は,エンジニアとしてのその生き方にある.彼は生涯に渡って,当時新材料であったコンクリートの,最もエレガントな構造形態を探求したのである.

前章のコンクリート黎明期の歴史は,このマイヤール考のプロローグとして書かれていると考えて良いだろう.本書で明らかになるのは,今まで光が当てられてこなかった面,当時の設計コードとマイヤールの橋との関係である.当時の権威に対しての,マイヤールの気骨稜稜の精神を明らかにするこの論考は,国際的な視点から見てもユニークで価値の高いものと言える.

一方,橋梁デザインの「全体」の事例として,ドイツのアウトバーンの歴史が取り上げられている.

よく知られているように,アウトバーンの建設はナチスの経済政策の一環であった.世界で初めての本格的な高速道路ネットワークであったことや,速度無制限の道路であることがよく知られているが,土木インフラとしては特に,その設計理念によって高い評価を受けている.

税金からなる公共事業は経済性や合理性が優先される.道路建設においては,ある二点を"最短距離で"結ぶのがセオリーであるが,アウトバーンは二点を"優雅に"結びつける,という理念のもとに設計された.「道路によってもまた,ドイツをより美しくしなくてはならぬ」というコンセプトのもと,設計システムが構築され,設計者の育成も行われた.

このシステムから生まれた一人が,20世紀の橋梁エンジニアの巨人フリッツ・レオンハルト (Fritz Leonhardt,1909-1999)である.構造エンジニアリングの技術的な発展に大きく貢献した一方で,橋梁美とでも呼べる設計哲学を発展させ啓発した.ここに,美の設計哲学が生まれたのである.

本書では,2000年代からマイク・シュライヒ(Mike Schlaich, 1960-)がベルリン工科大学で試みている教育についても紹介されている.この基盤には,レオンハルトから脈々と受け継がれてきた哲学とシステムがある.半世紀を経てもなお色褪せることのない,橋梁デザイン「全体」としての哲学の強さと継続性がここで明らかになろう.

以上のように「個」と「全体」と分けて考えれば,なぜ著者がこれら多岐に渡る論考を一冊の本にまとめたかが分かる.

橋をデザインするということは,ただのインフラにすぎない橋梁を,文化の中にインストールしようとする試みである.シュライヒらの言葉を借りれば,インフラは「文化の中で位置づけられることにより,はじめて技術的にも機能的にも完全なものとなる」*のである.それには,「個」の資質と情熱に加え,「全体」として優れた哲学とシステムが必要である.技術だけではなく景観だけでもない.「個」と「全体」はまるで,縦糸と横糸のように絡み合い,橋梁文化を成熟させるのである.

まるで大学の教科書のような,飾り気のない装丁の本書は,そういった複雑だけれども本質的な視点から,橋梁デザインを論じている.橋梁デザインに興味のある方は,本書を読んで,深くて楽しい橋梁デザインの"実際"に触れてみてはいかがでしょうか.

増渕基 橋梁エンジニア(ドイツ在住),博士(Dr.-Ing.)
ホームページ: http://masubuchi.de/

(参考文献)
*ドイツ鉄道 (編集), ヨルク・シュライヒほか (著), 増渕 基 (訳) :鉄道橋のデザインガイド: ドイツ鉄道の美の設計哲学,鹿島出版会 (2013)

  橋梁デザインの実際
-その歴史から現代のデザインコンペまで -

鈴木圭 日大教授 博士(工学) 著

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発行年月日:
2018/05/11
判 型:B5
ページ :202頁
ISBN:
978-4-339-05257-2
定 価: 3,456円
(本体3,200円+税5%)

Book Review

読者モニターレビュー 【ふじわらともこ様(色彩、デザインディレクション、芸術教育(こども))】

 言葉から感性を抽出する技術は,人口知能やロボットとの共存が進むこれからの時代にとって重要性が増すばかり。
 「感性」を重視した製品がヒットし,医療現場でも「感性」は着目されつつあり,その主体である生活者の「感性」は捉えところがなく,数値化することは一般的には難しいとされているが,本書ではその「感性」を計測するオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)による計測手法を中心に解説している期待の書である。
 オノマトペのような曖昧で直感的な言葉から「感性」を理解し,解析されることが「技術」の進化に寄与することにつながることは喜ばしいことではないだろうか。
[読後感想]
 感性は理性に較べ,下位概念におかれることが多いのですが,技術に応用できるという側面もあります。
 人工知能,ロボットと共存する時代に生きる私達にとって人間らしい「感性」を持つことが,人間に求められる時代もすぐそこに到来することを予告しているかのように私には感じられました。

  感性情報学
-オノマトペから人工知能まで -

坂本真樹 電通大教授 博士(学術) 著

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発行年月日:
2018/07/25
判 型:A5
ページ :200頁
ISBN:
978-4-339-02886-7
定 価: 2,808円
(本体2,600円+税5%)

Book Review

読者モニターレビュー 【研究所の花子さん様(研究アシ/音響,音,心理計測実験)】

本書の前半は,「人間の感性情報技術」について,その重要性,感覚器から脳に至る過程での処理,心理・生理学的な計測方法について基本的なことを中心に分かりやすく述べられています。
 中盤以降は,「オノマトペ」を用いたとてもユニークな感性計測手法について述べられています。数量化理論や遺伝的アルゴリズムを用いたオノマトペ生成システム,音の響きが基になっている「オノマトペ」が素材の質感やブランド名の評価に活用される事例など,とても興味深い内容でした。
 「オノマトペ」を分析,数値化することで,どのような「オノマトペ」を用いると感覚の本質を相手に的確に伝えられるのか? 感覚を言語化し,相互理解を進めるために「オノマトペ」が果たす役割は大きく,食味,食感の表現,医療現場における問診支援など利用が期待されています。スポーツのコーチングなどにも応用できるかと思います。今後の研究に期待したいと思います。

  感性情報学
-オノマトペから人工知能まで -

坂本真樹 電通大教授 博士(学術) 著

… 著者ホームページです
発行年月日:
2018/07/25
判 型:A5
ページ :200頁
ISBN:
978-4-339-02886-7
定 価: 2,808円
(本体2,600円+税5%)

Book Review

読者モニターレビュー 【gyu-don様( ITエンジニア)】

 本書は,従来の量子回路モデルとは異なる,測定型量子計算モデルについて紹介しています。測定型量子計算モデルは計算力の観点から,同モデルが回路モデルと等価で,また,量子状態を作るフェーズと,観測と古典計算を繰り返すフェーズに明確に分けることができるため,これまでとは異なる視点を提供してくれるとされています。
 観測により,まだ観測していない量子ビットの状態を変えながら計算を実現していく過程は,数式を追えば理解はできるものの,不思議で興味深いです。また,量子計算は,一体何を考えながら組み立てればいいのか非常に難しいので,回路モデルとは違う視点で考えることは有用かもしれません。
 本書では,量子誤り訂正符号の一種で,非常に注目されている,トポロジカル誤り訂正符号についても詳しく述べられています。

 興味深いながらも,特に日本語の文献がほとんどない測定型量子計算について網羅的に書かれた,非常に内容の濃い本でした。
 参考文献のリストは各章ごとに丁寧にまとめられているため,深く理解するためにも,それらを読んでみようと思います。

  観測に基づく量子計算

小柴健史 埼玉大教授 博士(理学) 著

藤井啓祐 東大助教 博士(工学) 著

森前智行 群馬大助教 博士(学術) 著

… 著者ホームページです
発行年月日:
2017/03/10
判 型:A5
ページ :196頁
ISBN:
978-4-339-02870-6
定 価: 3,024円
(本体2,800円+税5%)

Book Review

Billiard Marker 様

たいへんわかりやすく読みやすいのですが素人向けなので,同じ作者のもう一冊「ネコと分子遺伝学」も購入しようと思います

新コロナシリーズ 49

  ネコと遺伝学

仁川純一 九工大教授 理博 著

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発行年月日:
2003/08/22
判 型:B6
ページ :140頁
ISBN:
978-4-339-07699-8
定 価: 1,296円
(本体1,200円+税5%)

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早稲田大学人間科学学術院健康福祉科学科細胞制御学研究室 山越正汰(学部4年)、原太一(教授)

この「機能性食品学」では、機能性食品制度から始まり、栄養素に関することや具体的な疾病との関連性、今後の課題などについて触れられていた。近年巷では、盛んに機能性表示食品が持ち上げられており、今後は消費者であるわれわれが自ら、食品の安全性・機能性を吟味する力が問われることになる。本書では、機能性食品の科学的エビデンスを理解するための広範囲な知識が、分かりやすく説明されており、初学者の私にとって機能性食品学の入門書としてお勧めの一冊となった。具体的には、食品の機能性に関するメカニズムに加え、疾病の発症機序、生体調節機構など、食品科学から病態生理学までの幅広い知識を教授する内容となっており、食品がどのように生体に機能するのかを考える上で必要な、食品学と生体機能学の両方を一度に勉強したい方には是非ともお勧めです。

  機能性食品学

今井伸二郎 東京工科大教授 博士(医学) 著

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発行年月日:
2017/03/03
判 型:A5
ページ :206頁
ISBN:
978-4-339-06753-8
定 価: 2,808円
(本体2,600円+税5%)

Book Review

書評

 ゲーム情報学というのはゲームを対象とした(広い意味での)情報処理の研究領域である。「ゲーム情報学」という名称ができたのは1999年に情報処理学会で研究会を立ち上げたときなので、まだ20年程度しか経っていない若い領域である。人工知能のスタートはチェスの研究から始まりチェスを対象として数多くの貴重な成果が得られマッカーシーは「チェスは人工知能のハエ」と言った。ハエを対象とした研究で遺伝学が格段に進歩したように人工知能もチェスを対象とした研究で各段に進歩したということである。しかし日本ではゲームは遊びと見なされてゲームを対象とした研究が疎外される時期が長く続いた。日本は人工知能の研究で世界に出遅れたのだが、その理由の一つにゲーム研究の軽視があったのである。
 日本には将棋と囲碁(囲碁は中国発祥のゲームだが今のように発展したのは日本である)という貴重なゲームがあるので、それを対象とした研究をしない手はないということで遅ればせながらゲーム情報学という名称を冠した研究領域を立ち上げた(もっともらしい学問の名前をつけないと認められなかった)。それから20年でようやく体系化にこぎつけることができたのが本書である。伊藤氏が思考ゲームの認知科学的な側面を、保木氏が思考ゲームの情報科学的な側面を、そして三宅氏が最近日本でも盛んになってきたデジタルゲームへの応用を説明している。これまで日本でゲームを研究対象としたくても基本文献が存在しなかったのだが、これからは本書を推薦できる。ゲームの研究を進める上での基礎を本書でぜひ学んでほしい。たとえば意外と敷居が高いゲーム理論(たとえば「ナッシュ均衡」など)の基礎についても学ぶことができる。本書が出版されたことは今後のゲーム情報学の発展のためにとてもうれしいことである。ゲームのプログラムに興味をもったらぜひ最初にこの本を手に取ってほしい。
松原 仁(公立はこだて未来大学)

  ゲーム情報学概論
-ゲームを切り拓く人工知能 -

伊藤毅志 電通大助教 工博 編著

保木邦仁 電通大准教授 博士(理学) 著

三宅陽一郎 (株)スクウェア・エニックス 著

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発行年月日:
2018/05/18
判 型:A5
ページ :234頁
ISBN:
978-4-339-02885-0
定 価: 3,240円
(本体3,000円+税5%)
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