臨床工学技士のための 生体計測装置学

臨床工学技士のための 生体計測装置学

臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験に出る生体計測装置学分野の問題を解くために特化した内容とした。

ジャンル
発行年月日
2017/07/10
判型
A5
ページ数
224ページ
ISBN
978-4-339-07243-3
臨床工学技士のための 生体計測装置学
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定価

3,080(本体2,800円+税)

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本書は臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験に出る生体計測装置学分野の問題を解くために特化した内容となっている。付録として二つの試験の過去問と選択形式ならではの解答のテクニックを習得できるような解説をした。

臨床工学技士受験における工学分野の勉強で大切なのは,機械や電気の理論や公式を実際の試験問題と結びつけて解答にたどり着けるための応用力である。しかしながら,生体計測分野はそうではない。生体計測で重要なのは(こういっては身も蓋もないが),ずばり暗記である。不分極電極にはAg/AgCl電極やHg/Hg2Cl2電極などがある,などというのは勉強していなければわかるものではない。もちろん,単なる暗記ではなく,なぜそうなるのかという理解が必要な部分も多いのだが,暗記すべき内容が多いというのは事実である。

著者らは,これまで「臨床工学技士のための機械工学」,「同電気工学」を著してきたが,その際の方針はつねに“第2種ME技術実力検定試験(以下ME 2種と呼ぶ)と臨床工学技士国家試験(以下国家試験と呼ぶ)に必要な内容を過不足なく”であった。本書においても,そのコンセプトは貫かれている。執筆の前にME 2種と国家試験の過去問を取り寄せ,そこから生体計測分野の問題をピックアップした。本文の解説は,それらの問題を解けるような説明を盛り込んだ内容にしたつもりである。この作業を行わなければ,試験に出る大事な内容を書き漏らしたり,逆に試験に出ない内容を延々と説明することになりかねないからである。

ME 2種と国家試験の過去問を調べてわかったことは,同じ内容が手を替え品を替え表現を替えて,何年にもわたって出題されていることである。“理屈や計算の機械・電気”と同様,“暗記の計測”においても,しっかりと過去問演習を行うことには大きな効果が期待できる。そのため「臨床工学技士のための機械工学」,「同電気工学」と同様に,本書の後半にはME 2種と国家試験の過去問およびその解答・解説を掲載した。計測は暗記,と書いたが,「あ,これは2年前のあの問題と同じだ!」などと気づくくらいに過去問をやりこめば,重要事項は自然と頭に入るわけであり,英単語の暗記のように単語帳を持ち歩く必要はない。

本書の著者は二人である。お互いに内容をチェックしあって執筆を進めたが,文体の統一などは行っていないので,“このセクションから著者が変わったな”などと想像してみるのも,味気ない受験勉強の中でのささやかな楽しみになるかもしれない。

なお,本書発刊後のME2種国家試験問題に関してはコロナ社のWeb ページの本書の書籍紹介に掲載する予定である。本書と合わせて活用していただきたい。

本書は,臨床工学技士を養成する大学・専門学校などの教科書として使用されることを想定しているが,独学で勉強する学生にとっても十分に利用できるように配慮したつもりである。本書が,ME2種・国家試験合格の一助になれば幸いである。

2017年5月 西村 生哉 三田村好矩

1. 計測の基礎
1.1 単位
 1.1.1 基本単位
 1.1.2 組立単位
 1.1.3 無次・元量
 1.1.4 SI接頭辞
1.2 誤差
 1.2.1 誤差の種類
 1.2.2 誤差の範囲
 1.2.3 誤差の計算
 1.2.4 正確さを表す言葉
 1.2.5 サンプリング定理とエイリアシング
1.3 雑音
 1.3.1 雑音の種類
 1.3.2 雑音対策
 1.3.3 SN比
 1.3.4 入力換算雑音
本章のまとめ

2. 生体情報の取得
2.1 電気信号
 2.1.1 電極
 2.1.2 生体電気信号の大きさと周波数範囲
 2.1.3 時定数とフィルタ
 2.1.4 外部雑音
 2.1.5 差動増幅器
 2.1.6 入力インピーダンス
 2.1.7 心電図
 2.1.8 脳波
2.2 超音波
 2.2.1 超音波の性質
 2.2.2 超音波ドプラ血流計
 2.2.3 超音波血流計の種類
 2.2.4 超音波画像計測
 2.2.5 超音波計測の補足
2.3 エックス線
 2.3.1 エックス線写真
 2.3.2 エックス線CT
2.4 磁気計測
 2.4.1 生体磁気現象
 2.4.2 心磁図,脳磁図
 2.4.3 MRI
2.5 光計測
 2.5.1 パルスオキシメータ
 2.5.2 サーモグラフ
 2.5.3 内視鏡
2.6 温度計測
 2.6.1 いろいろな体温計
 2.6.2 覚えるべき用語
2.7 血液ガス
 2.7.1 電圧測定法(ポテンシオメトリー)
 2.7.2 電流測定法(アンぺロメトリー)
本章のまとめ

3. 信号処理,表示・記録,データ伝送
3.1 信号処理に使われる演算
3.2 記録計の種類と特徴
3.3 医療用テレメータ
 3.3.1 電波法の規律
 3.3.2 医療用テレメータの構成
 3.3.3 周波数(チャネル)の管理
本章のまとめ

付録
A. 第2種ME技術実力検定試験
 A.1 問題
 A.2 解答・解説
B. 臨床工学技士国家試験
 B.1 問題
 B.2 解答・解説

引用・参考文献
索引

amazonレビュー

三田村 好矩(ミタムラ ヨシノリ)

掲載日:2020/10/21

「生体医工学」58巻4-5号広告