心臓力学とエナジェティクス

ME教科書シリーズ B-1

心臓力学とエナジェティクス

心臓機能の研究を国際レベルで推進してきた4名の編著者が新進気鋭の共同研究者と共にこれまでの研究成果をわかりやすくまとめたものである。焦点は心臓ポンプ機能の要素還元的な詳細ではなく,統合的な枠組みに合わされている。

ジャンル
発行年月日
2000/11/10
判型
B5
ページ数
216ページ
ISBN
978-4-339-07141-2
心臓力学とエナジェティクス
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,850(本体3,500円+税)

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心臓機能の研究を国際レベルで推進してきた4名の編著者が新進気鋭の共同研究者と共にこれまでの研究成果をわかりやすくまとめたものである。焦点は心臓ポンプ機能の要素還元的な詳細ではなく,統合的な枠組みに合わされている。

1.はじめに

2.心臓機能研究の歴史
2.1 カエル心室の圧容積関係
2.2 イヌ心肺標本での心臓法則
2.3 心室機能曲線
2.4 張力短縮速度曲線とVmax
2.5 循環平衡
2.6 心室時変弾性モデルとEmax
2.7 レーザおよびX線回折
2.8 スキンド・ファイバ
2.9 カルシウム・トランジェント
2.10 ケージド化合物:Ca,ATPなど
2.11 単分子生理学
2.12 その他

3.Emaxによる心収縮性の評価
3.1 圧容積関係:収縮期末圧容積関係,Emax
3.2 収縮性指標としてのEmax
3.3 時変弾性モデル:E(t)
3.4 E(t)と張力速度関係
3.5 Emaxとポンプ機能
3.6 E(t),Emaxの負荷依存性
3.7 E(t),Emaxの問題点

4.心臓エナジェティクス
4.1 生化学的知識(ミトコンドリア,代謝基質など)
4.2 酸素消費量(P:Oなど)
4.3 心臓酸素消費量の規定因子
4.4 心臓の仕事
4.5 心臓の機械的エネルギー:収縮期圧容積面積(PVA)
4.6 酸素消費量-PVA関係
4.7 PVAの酸素コスト
4.8 収縮効率と仕事効率
4.9 Emax-酸素消費量-PVA関係
4.10 Emaxの酸素コスト
4.11 補助心臓
4.12 まとめ

5.Emaxの新たなる展開とエナジェティクスへの応用
5.1 非線形収縮期末圧容積関係
5.2 PVAと1心拍ごとの心筋酸素消費量(Vo2)関係
5.3 興奮収縮連関における酸素消費量
5.4 コンダクタンスカテーテル法

6.病的心および薬物投与心の力学とエナジェティクス
6.1 甲状腺機能亢進,低下症心臓
 6.1.1 甲状腺機能とミオシンアイソザイム
 6.1.2 甲状腺機能低下症ラット心臓の収縮期末圧容積関係(ESPVR)
 6.1.3 甲状腺機能亢進症ウサギ心臓の収縮期末圧容積関係(ESPVR)とVo2-PVA関係
 6.1.4 ミオシンアイソザイムV1とV3の分子レベルでの研究
 6.1.5 甲状腺機能亢進症イヌ
6.2 アシドーシス心
6.3 スタン心
 6.3.1 虚血後スタン心
 6.3.2 アシドーシス後スタン心
6.4 ハイポキシア心
6.5 カルシウム過負荷心
 6.5.1 血液交叉潅流イヌ摘出Ca2+過負荷急性不全心臓
 6.5.2 血液交叉潅流ラット摘出Ca2+過負荷急性不全心
6.6 薬物投与心
 6.6.1 カプサイシン
 6.6.2 麻酔薬(ペントバルビタール,イソフルレン)
 6.6.3 鎮痛薬(フェンタネスト)
 6.6.4 サプシガルギン
 6.6.5 カフェイン

7.心臓壁局所の力学とエナジェティクス
7.1 局所心筋機能の重要性
7.2 局所心筋機能の評価法
 7.2.1 心筋短縮を評価する指標
 7.2.2 壁張力-面積関係と局所仕事量
 7.2.3 局所エラスタンスを評価する指標(収縮期末の指標)
7.3 心筋虚血と局所心筋機能
 7.3.1 虚血心筋の収縮期特性
 7.3.2 虚血心筋の拡張期特性
 7.3.3 虚血心の左室圧-容積関係
7.4 局所心筋のエナジェティクス
 7.4.1 局所総機械的エネルギー指標としての「壁張力-面積」面積(TAA)
 7.4.2 局所心筋エナジェティクスにおける今後の展望

8.臨床への応用
8.1 Emaxの臨床応用
 8.1.1 臨床における心機能評価の意義
 8.1.2 臨床で用いられる左室収縮機能の指標
 8.1.3 臨床におけるEmax測定の歴史
 8.1.4 臨床におけるEmaxの利点
 8.1.5 Emaxの弱点
 8.1.6 Emax関連のその他の指標
8.2 心不全と心筋酸素消費量
 8.2.1 心不全患者における心筋酸素消費量
 8.2.2 心筋酸素消費量の構成成分
 8.2.3 臨床における不全心のエナジェティクス
 8.2.4 心エナジェティクスからみた望ましい心不全治療薬
8.3 臨床における心エナジェティクスの評価
 8.3.1 はじめに
 8.3.2 臨床例での心機能の評価法
 8.3.3 臨床例での心筋酸素消費量の測定
 8.3.4 心筋酸素消費量の規定因子
 8.3.5 臨床例における評価
 8.3.6 心筋梗塞後リモデリング心のエナジェティクス
 8.3.7 おわりに
8.4 心不全治療薬と心エナジェティクス
 8.4.1 ジギタリス
 8.4.2 カテコラミン
 8.4.3 PDE阻害薬
 8.4.4 フォルスコリン誘導体
 8.4.5 Ca2+感受性増強薬

9.心室・動脈カップリング
9.1 動脈インピーダンス
 9.1.1 動脈系の固有の性質としての動脈インピーダンス
 9.1.2 動脈インピーダンスの意味
 9.1.3 動脈インピーダンスの算出法
 9.1.4 インパルス応答で表現した動脈インピーダンス
9.2 圧容積関係と動脈インピーダンスの動的結合
 9.2.1 動的結合の枠組み
 9.2.2 摘出潅流心の動脈インピーダンス負荷
 9.2.3 動脈インピーダンスの変化に伴う動脈血圧・動脈血流波形の変化
9.3 実効動脈エラスタンスの概念と定義
9.4 実効動脈エラスタンスによる1回拍出量の推定
9.5 実効動脈エラスタンスによる心室・動脈カップリング
9.6 心室と動脈系の至適カップリング
 9.6.1 至適カップリングの概念
 9.6.2 心室と動脈系の至適条件
 9.6.3 至適カップリング維持の機序
9.7 病的状態と至適カップリング

10.心臓血管系の調節
10.1 動脈圧反射系の静特性と平衡線図解析
 10.1.1 動脈圧反射系の2要素モデル
 10.1.2 動脈圧反射系の平衡線図解析
 10.1.3 動脈圧反射系による外乱の圧縮
 10.1.4 動脈圧反射系の異常
10.2 白色雑音法による動特性の評価法
10.3 動脈圧反射系の動特性
10.4 動脈圧受容器の伝達特性
 10.4.1 動脈圧受容器の生体内分布
 10.4.2 動脈圧受容器による圧情報の神経活動への符号化
10.5 心拍数の神経性調節
 10.5.1 交感神経と副交感神経による心拍数調節の動特性
 10.5.2 交感神経と副交感神経の相互作用
 10.5.3 心拍数変動のパワースペクトルと自律神経活動
10.6 心収縮性の神経性調節
 10.6.1 交感神経・迷走神経単独での心収縮性調節
 10.6.2 交感神経と迷走神経の相互作用による心収縮性調節
10.7 心臓交感神経終末におけるカテコラミン動態
 10.7.1 心臓微量透析法
 10.7.2 心臓交感神経終末におけるノルエピネフリン動態
 10.7.3 左室の心筋間質ノルエピネフリン濃度と左室収縮性の関係
 10.7.4 心筋虚血と心筋間質ノルエピネフリン動態

11.心機能のマクロ・ミクロ連関
11.1 クロスブリッジ動態
11.2 心筋細胞内Ca2+動態の推定法

12.将来展望

13.おわりに

付録
引用・参考文献
謝辞
索引

菅 弘之(スガ ヒロユキ)

高木 都(タカキ ミヤコ)

後藤 葉一(ゴトウ ヨウイチ)

砂川 賢二(スナガワ ケンジ)