細胞の代謝システム - システム生命科学による統合的代謝制御解析 -

細胞の代謝システム - システム生命科学による統合的代謝制御解析 -

炭素同位体を利用した代謝フラックス解析法を中心に,代謝調節制御の基礎や遺伝子・タンパク質発現(酵素活性),細胞内代謝物濃度,代謝フラックス分布といった情報を統合的に解析する基礎的アプローチについて例を用いて解説した。

ジャンル
発行年月日
2007/10/30
判型
B5
ページ数
296ページ
ISBN
978-4-339-06740-8
細胞の代謝システム - システム生命科学による統合的代謝制御解析 -
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定価

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炭素同位体を利用した代謝フラックス解析法を中心に,代謝調節制御の基礎や遺伝子・タンパク質発現(酵素活性),細胞内代謝物濃度,代謝フラックス分布といった情報を統合的に解析する基礎的アプローチについて例を用いて解説した。

目次
1. 生物の主要代謝
1.1 はじめに
1.2 細胞内のエネルギー
1.3 糖の分解
1.4 TCA回路
1.5 補充反応
1.6 呼吸
1.7 ペントースリン酸経路
1.8 糖新生
1.9 嫌気的代謝の概要とエントナー-ドゥドロフ経路
1.10 光合成とカルビン-ベンソン回路
1.11 アミノ酸の生合成と調節制御
1.12 核酸の生合成と制御
1.13 脂肪酸の代謝と分解
1.14 主要代謝経路の調節制御
引用・参考文献

2. 遺伝子およびタンパク質発現からみた細胞の代謝
2.1 はじめに
2.2 細胞の培養特性
2.3 解糖系の遺伝子およびタンパク質発現
2.4 ペントースリン酸経路の遺伝子およびタンパク質発現
2.5 エントナー-ドゥドロフ経路の遺伝子およびタンパク質発現
2.6 発酵代謝物生成経路の遺伝子およびタンパク質発現
2.7 TCA回路およびグリオキシル酸経路の遺伝子およびタンパク質発現
2.8 タンパク質発現と酵素活性との相関
引用・参考文献

3. 代謝量論式に基づく代謝解析
3.1 はじめに
3.2 量論式による表現
3.3 代謝フラックス分布の計算
3.4 一般的な場合の代謝フラックス分布の計算および代謝解析例
 3.4.1 代謝フラックス分布の計算
 3.4.2 水素細菌の代謝解析とPHBの合成
 3.4.3 クロレラ細胞の代謝解析
 3.4.4 Torulopsis glabrataの代謝解析とピルビン酸発酵
 3.4.5 遺伝子欠損株大腸菌の嫌気条件での代謝解析と乳酸発酵
引用・参考文献

4. NMRやGC-MSを利用した同位体分布の測定と代謝フラックス比解析
4.1 NMR
4.2 NMR信号と確率変数の導入
4.3 NMRによる代謝フラックス解析
4.4 代謝フラックス比解析
4.5 NMRを利用した大腸菌細胞の代謝フラックス比解析例
 4.5.1 同位体を用いた実験
 4.5.2 野生株の代謝フラックス比解析
 4.5.3 pck遺伝子欠損株の代謝フラックス比解析
 4.5.4 pgi遺伝子欠損株の代謝フラックス比解析
 4.5.5 zwf遺伝子欠損株の代謝フラックス比解析
4.6 GC-MSを利用した代謝フラックス比解析
 4.6.1 GC-MSによる同位体分布の測定
 4.6.2 GC-MSのデータと天然存在同位体の補正
 4.6.3 天然に存在する同位体についてのMDVの補正
 4.6.4 代謝物のMDV
 4.6.5 基質断片のMDV
 4.6.6 代謝フラックス比の計算
 4.6.7 [1-13C]グルコース実験からの代謝フラックス比の計算
引用・参考文献

5. 同位体を利用した代謝フラックス分布解析
5.1 はじめに
5.2 位置表記に基づく代謝フラックス解析
5.3 同位体表記による代謝フラックス解析
5.4 同位体分布の非定常補正
5.5 解析的手法による代謝フラックス解析
5.6 代謝フラックス分布解析例
引用・参考文献

6. 統計処理による代謝フラックス分布の信頼限界と実験計画
6.1 はじめに
6.2 統計解析と推定した代謝フラックスの信頼区間
6.3 解析的方法による統計解析
6.4 フラックスの決定と信頼限界
6.5 統計解析
6.6 同位体実験の最適実験計画
6.7 ピークスケーリングファクタの最適推定
6.8 感度解析
 6.8.1 同位体の感度
 6.8.2 自然フラックスの感度
 6.8.3 重み付き出力感度行列
6.9 最適実験計画
6.10 応用
 6.10.1 簡単な代謝ネットワークの解析
 6.10.2 シアノバクテリアの代謝フラックス分布の信頼区間の計算
引用・参考文献

7. 統合的代謝解析と遺伝子欠損株の代謝特性
7.1 はじめに
7.2 pck遺伝子欠損株の代謝解析
 7.2.1 増殖パラメータ
 7.2.2 細胞内代謝フラックス分布解析
 7.2.3 酵素活性および細胞内代謝物濃度
 7.2.4 Pckフラックスの調節制御
 7.2.5 補充反応のin vivoでの調節
7.3 pgi遺伝子欠損株の代謝解析
 7.3.1 連続培養での増殖特性
 7.3.2 細胞内代謝フラックス分布解析
7.4 zwf遺伝子欠損株の代謝解析
7.5 ppc遺伝子欠損株の代謝解析
7.6 pyk遺伝子欠損株の代謝解析
7.7 pfl遺伝子欠損株の代謝解析
引用・参考文献

8. 遺伝子発現の調節制御
8.1 はじめに
8.2 cAMP-CRPと糖消費
 8.2.1 遺伝子発現制御
 8.2.2 グルコース抑制とcAMPモデル
 8.2.3 PTSと解糖系
 8.2.4 グルコース抑制とPTSの制御機構
 8.2.5 グルコースによる遺伝子発現の促進
 8.2.6 膜タンパク質IICBglcによるMlcの活性調節
 8.2.7 解糖系の阻害に応答したptsG mRNAの不安定化
8.3 Craによる代謝調節
8.4 FnrとArcA/Bシステム
8.5 fadR遺伝子と脂肪酸や酢酸の生成と分解
8.6 rpoS遺伝子による調節
8.7 酸化ストレス応答
8.8 遺伝子発現調節構造
引用・参考文献

9. バイオインフォマティクスとシステム生命科学からみた代謝解析
9.1 はじめに
9.2 データベースとネットワーク
9.3 代謝信号線図とその応用
9.4 代謝フラックス分布の最適化と遺伝子組換え大腸菌によるPHB合成
9.5 逆フラックス解析による代謝律速経路の探索
 9.5.1 基礎式の導出
 9.5.2 大腸菌への応用
 9.5.3 代謝量論に基づく代謝フラックス解析
 9.5.4 逆フラックス解析
 9.5.5 代謝フラックス感度解析
9.6 代謝制御解析とリジン生産のための律速代謝経路
 9.6.1 代謝制御解析
 9.6.2 リジン合成経路のモデリング
 9.6.3 培養特性
 9.6.4 モデルパラメータの推定
 9.6.5 リジン発酵の代謝制御解析
9.7 代謝調節構造の最適化(設計)
 9.7.1 基礎式の導出
 9.7.2 代謝調節構造の最適化
 9.7.3 酵素活性の影響
 9.7.4 酵素の活性化
9.8 細胞のモデリングとシミュレーション
 9.8.1 モデリングやシミュレーションへの取組み
 9.8.2 大腸菌細胞のモデリング
引用・参考文献

付録
索引

清水 和幸(シミズ カズユキ)