技術者のための ねじの力学 - 材料力学と数値解析で解き明かす -

技術者のための ねじの力学 - 材料力学と数値解析で解き明かす -

ねじの幾何学,締結部剛性,締め付け特性,静的強度と疲労強度,熱負荷に対する挙動,固有振動特性などを平易に解説した

ジャンル
発行年月日
2015/10/07
判型
A5
ページ数
352ページ
ISBN
978-4-339-04644-1
技術者のための ねじの力学 - 材料力学と数値解析で解き明かす -
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本書は,ねじの幾何学,締結部剛性,締め付け特性,静的強度と疲労強度,熱負荷に対する挙動,固有振動特性などを平易に解説し,材料力学と標準的なCAE手法による“壊れないねじ締結部設計”に必要な基礎知識の提供を目的とする。

1. ねじの規格と種類
1.1 ねじとねじ研究の小史
1.2 ねじ山の形状と使用目的
1.3 ねじの規格
1.3.1 ねじの標準規格
1.3.2 ねじの基準山形
1.4 ねじのピッチと条数
1.4.1 つる巻線の数式表示
1.4.2 並目ねじと細目ねじ
1.4.3 ねじの条数とリード角
1.4.4 おねじとめねじの接触面積
1.4.5 ねじ部品の非相似性
1.5 ねじの締め付け形態とねじ部品
1.5.1 ボルト・ナットと植込みボルト
1.5.2 ねじの力学特性に影響する幾何学的因子
1.5.3 被締結体界面の面圧分布と影響円すい
1.6 ねじ材料の強度と熱・力学特性
1.6.1 ねじ部品の材料
1.6.2 材料の選択と考慮すべき因子

2. ねじの基本
2.1 ねじの強度
2.1.1 ねじ部品の破壊・破損の発生箇所
2.1.2 締め付け時の強度
2.1.3 使用状態における強度
2.1.4 ボルト締結体の力学と摩擦係数
2.2 ねじの剛性
2.2.1 ボルト締結体の剛性と力学挙動
2.2.2 一次元ばねモデルによる剛性の評価
2.2.3 はめあいねじ部とボルト頭部の等価長さ
2.2.4 被締結体の圧縮剛性
2.2.5 有限要素解析によるボルト締結体のばね定数の評価
2.2.6 ボルト締結体各部のばね定数と力学挙動
2.3 ねじの真の断面形状
2.3.1 三角ねじの断面形状
2.3.2 さまざまなねじの断面形状
2.4 ねじの真の断面積
2.5 ねじ山のらせん形状を再現した有限要素モデル
2.5.1 種々のらせんモデル作成方法
2.5.2 断面の数式表示を用いたらせんモデルの作成
2.6 ボルト締結体と接触面剛性
2.6.1 界面における接触面剛性
2.6.2 法線方向と接線方向の接触面剛性
2.6.3 法線方向剛性の簡易計算式
2.7 ボルト締結体と接触熱抵抗

3. ねじの締め付けの力学
3.1 各種締め付け方法とその特性比較
3.2 トルク法
3.2.1 トルク?―?軸力関係式
3.2.2 トルク?―?軸力関係の簡易式と摩擦係数
3.2.3 トルク法の長所と締め付け精度に影響する因子
3.2.4 ねじの自立条件と効率
3.2.5 軸力,トルク,摩擦係数の測定方法
3.2.6 締め付けトルク解放時の軸力とトルクの挙動
3.2.7 ボトミングスタッドの締め付け特性と強度
3.2.8 ボルト締め付け時の強度
3.3 弾性域回転角法
3.3.1 締め付け原理
3.3.2 表面粗さを考慮した軸力―回転角関係式
3.3.3 適用範囲と締め付け指針
3.4 張力法
3.4.1 締め付け原理
3.4.2 有効張力係数
3.4.3 表面粗さと着座トルクの影響
3.4.4 適用範囲と締め付け指針
3.5 熱膨張法
3.5.1 締め付け原理
3.5.2 締結部形状を簡略化した締め付けモデル
3.5.3 軸力?―?加熱温度関係式
3.5.4 適用範囲と締め付け指針
3.6 多数ボルトの逐次締め付けと弾性相互作用
3.6.1 ボルトの締め付けと弾性相互作用
3.6.2 締結部形状と弾性相互作用
3.6.3 軸力のばらつきの推定と最適な締め付け手順
3.7 ねじの締め付けに要するエネルギー
3.7.1 トルク法における締め付けエネルギー
3.7.2 締め付けエネルギーに影響する因子

4. ねじの静的強度と疲労強度
4.1 はめあいねじ部の荷重分布とねじ山荷重分担率
4.1.1 ボルト・ナットにおける荷重分布
4.1.2 アイボルト,アイナットにおける荷重分布
4.1.3 有限要素法によるねじ山荷重分担率の解析
4.2 ねじの静的強度と応力集中
4.2.1 応力集中と応力集中係数
4.2.2 ねじ部品における応力集中
4.2.3 ねじ谷底の応力集中現象
4.2.4 ねじ谷底応力集中の定量的評価
4.2.5 応力集中とねじの塑性変形
4.2.6 ねじ谷底応力集中の軽減方法
4.3 ねじ谷底に沿った応力分布
4.3.1 ボルト・ナット締結体の応力集中
4.3.2 ねじのピッチと条数の影響
4.3.3 本体側はめあいねじ部の応力集中
4.4 ねじの疲労破壊
4.4.1 金属疲労と応力振幅
4.4.2 ねじ部品における疲労破壊
4.4.3 ねじの疲労強度に影響する因子
4.5 ねじの疲労強度の評価方法
4.5.1 ボルト締め付け線図の概要
4.5.2 ボルト締め付け線図の問題点
4.5.3 有限要素解析による締め付け線図の検証
4.5.4 ボルト軸力―外力線図
4.5.5 ねじの疲労強度と応力振幅の推定方法
4.6 被締結体界面の離隔と応力振幅
4.6.1 偏心外力を受ける締結部の応力振幅
4.6.2 有限要素解析による界面離隔現象の検証
4.7 ねじ谷底に沿った応力振幅
4.7.1 ねじ山らせんモデルによる解析
4.7.2 ボルト・ナット締結体の応力振幅特性と疲労破壊
4.7.3 本体側はめあいねじ部の応力振幅特性と疲労破壊
4.7.4 応力振幅と塑性変形
4.8 ねじの疲労強度の向上策

5. 熱負荷を受けるボルト締結体
5.1 ボルト締結体の熱・力学挙動の基礎
5.1.1 熱変形と熱応力
5.1.2 ボルト軸力変化の発生メカニズム
5.1.3 ボルト軸力変化の簡易推定式
5.2 接触面を伝わる熱の評価方法
5.2.1 接触熱伝達率の測定方法
5.2.2 同種材界面における接触熱伝達率
5.2.3 異材界面における接触熱伝達率
5.3 小さなすきまを流れる熱の評価方法
5.4 ボルト締結体における接触熱伝達率と見かけの接触熱伝達率
5.5 有限要素法による熱・力学挙動の解析
5.5.1 軸対称モデルによる熱・力学特性の評価
5.5.2 三次元モデルによる熱・力学特性の評価
5.6 ねじの焼き付き
5.6.1 焼き付きが発生しやすい条件
5.6.2 焼き付きの発生に関する一仮説

6. ねじのゆるみ
6.1 回転ゆるみと非回転ゆるみ
6.2 ゆるみが発生しやすい締結部
6.3 回転ゆるみによる軸力低下
6.3.1 回転ゆるみの発生メカニズム
6.3.2 ナットの戻り回転と軸力低下
6.3.3 回転ゆるみの防止策
6.4 非回転ゆるみによる軸力低下
6.4.1 非回転ゆるみの発生メカニズム
6.4.2 へたり量の推定方法
6.4.3 へたりによる軸力低下
6.4.4 非回転ゆるみの抑止策
6.4.5 締結部の熱膨張差によるゆるみ

7. 管フランジ締結体の熱・力学挙動
7.1 管フランジ締結体固有の力学特性と熱挙動
7.2 ガスケットの圧縮特性とフランジローテーション
7.3 ガスケット圧縮特性の温度依存性
7.4 有限要素法による運転時とシャットダウン時の挙動解析

8. ねじのトラブル事例から学ぶ―原因の究明と解決策―
8.1 はじめに
8.2 JIS方式大型車ホイールボルトの構造と疲労破壊
8.2.1 車輪脱落事故の概要
8.2.2 締結部の構造,締め付け方法とねじ部品の疲労破壊
8.2.3 締め付け過程の力学と問題点
8.2.4 軸力と摩擦係数のばらつきとその軽減方法
8.2.5 ホイールボルトの応力振幅の測定
8.2.6 ホイールボルトの応力振幅の有限要素解析
8.2.7 トルク制御機能付き多軸同時締め付け装置の開発
8.3 ジェットコースター車軸の疲労破壊
8.4 せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性
8.4.1 摩擦接合と支圧接合された多数ボルト締結体
8.4.2 支圧接合におけるせん断荷重の伝達メカニズム
8.4.3 支圧接合された多数ボルト締結体の有限要素解析
8.4.4 ばねモデルによるせん断荷重分担率の評価
8.5 フランジ形固定軸継手用リーマボルトの強度と負荷特性
8.5.1 リーマボルトの形状と破断現象
8.5.2 リーマボルトの力学特性と問題点
8.5.3 せん断力分担率と曲げ応力
8.5.4 リーマ部のはめあい,摩擦係数,軸応力の影響
8.5.5 軸力のばらつきとミスアライメントの影響
8.6 冷やしばめによるリーマボルトの締め付け
8.6.1 締め付け方法と問題点
8.6.2 温度上昇による軸力低下量の推定
8.6.3 締め付け指針の提案
8.7 油圧機器用シールプラグのシール性能
8.7.1 プラグの締め付け特性と形状誤差
8.7.2 座面面圧の分布特性とシール性能
8.7.3 一次元ばねモデルによる動的効果の評価
8.8 ボルト締結体の固有振動解析
8.8.1 ボルト軸力と固有振動数
8.8.2 接触面剛性を考慮した固有振動解析
8.9 ボルト締結体の効率的な有限要素解析
8.9.1 ボルト締結体の有限要素モデル
8.9.2 はめあいねじ部の簡易モデル
8.9.3 軸力発生を目的とした二次元ボルトモデル
8.9.4 対称性の活用による計算効率の改善

あとがき―むすびにかえて
引用・参考文献
索引

「機械の研究」(養賢堂発行)VOL.67 NO.12 掲載日:2016/02/26


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