動吸振器とその応用

動吸振器とその応用

本書は,初めて動吸振器を利用しようとする技術者に懇切に設計法を説明し,高度に動吸振器を活用しようとする専門技術者のためにパッシブ動吸振器からアクティブ動吸振器まで,豊富な応用事例を引用し総合的にまとめた。

ジャンル
発行年月日
2010/08/20
判型
A5
ページ数
256ページ
ISBN
978-4-339-04607-6
動吸振器とその応用
品切れ・重版未定

定価

4,400(本体4,000円+税)

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本書は,初めて動吸振器を利用しようとする技術者に懇切に設計法を説明し,高度に動吸振器を活用しようとする専門技術者のためにパッシブ動吸振器からアクティブ動吸振器まで,豊富な応用事例を引用し総合的にまとめた。

1. 動吸振器の基礎
1.1 振動を制する概念
1.2 制振法と制振装置
1.2.1 振動制御法の分類
1.2.2 固定面を用いた制振装置
1.2.3 補助質量の慣性力を用いた制振装置
1.2.4 構造物の相互作用を用いた制振法
1.3 動吸振器研究の歴史
1.3.1 黎明期(1909~1930年代)
1.3.2 発展期(1940~1950年代)
1.3.3 拡張期(1960年代後半~1970年代)
1.3.4 応用期(1980~1990年代)
1.3.5 2000年以降の研究
1.4 1自由度系の振動の基礎事項
1.5 モデリング
1.6 最後に
参考文献

2. 動吸振器
2.1 拡張定点理論
2.1.1 定点理論とは
2.1.2 拡張定点理論と周波数伝達関数
2.1.3 最適同調条件
2.1.4 最適減衰条件
2.1.5 最適条件が満たされたときの最適振幅比
2.1.6 減衰のある主振動系への適用
2.2 動吸振器の設計
2.2.1 変位振幅比
2.2.2 最適同調
2.2.3 最適減衰
2.2.4 最適2条件が満たされたときの最大振幅比
2.2.5 動吸振器の最適設計式と制振効果
2.2.6 主振動系の減衰を考慮したときの応答曲線
2.2.7 等価減衰と制振設計
2.3 主振動系の加速度応答に対する動吸振器の最適設計
2.3.1 加速度応答に対する振幅比
2.3.2 加速度応答に対する最適同調
2.3.3 加速度応答に対する最適減衰とそのときの最大振幅比
2.3.4 回転体の不釣合い励振力に対する動吸振器
2.4 動吸振器の構成要素
2.4.1 ばね要素
2.4.2 減衰要素
2.5 磁気ダンパを有する動吸振器の設計事例
2.6 動吸振器とその課題
参考文献

3. 多重動吸振器
3.1 二重動吸振器
3.1.1 変位振幅比
3.1.2 二重動吸振器の最適調整条件
3.1.3 最適調整条件式
3.1.4 実用近似最適設計式
3.2 多重動吸振器
3.2.1 変位振幅比
3.2.2 最適調整条件
3.2.3 最適設計図表と実用設計近似式
3.2.4 多重動吸振器の制振性能
3.2.5 動吸振器の減衰係数変動に対する多重動吸振器の制振効果
3.2.6 主振動系の固有振動数変動に対する多重動吸振器の制振効果
3.2.7 主振動系の固有振動数変動を見込んだ多重動吸振器の再調整
3.3 振動絶縁装置の減衰器への二重動吸振器の適用例
3.3.1 装置構成
3.3.2 二重動吸振器の設計
3.4 工作機械構造物の動剛性改善への適用
3.4.1 四重動吸振器の適用理由
3.4.2 四重動吸振器の設計
3.5 最後に
参考文献

4. 動吸振器による多自由度系の制振
4.1 多自由度系の運動方程式の解法
4.1.1 固有値と固有ベクトル
4.1.2 固有ベクトルの直交性
4.1.3 モード行列
4.1.4 強制振動の応答
4.2 等価質量同定法
4.2.1 等価質量の概念
4.2.2 固有モード法
4.2.3 質量感度法
4.3 非連成モデルの作成法
4.4 多モード制振・動吸振器の設計法
4.4.1 動吸振器によるi次モードの制振
4.4.2 動吸振器の設計手順
4.4.3 動吸振器の設置場所
4.5 3自由度系の制振問題への応用
4.5.1 3自由度系の振動特性
4.5.2 各動吸振器の設置場所および設計
4.6 4階建て建物の多モード制振への応用
4.7 分布定数系構造物の制振への応用
4.7.1 片持ばり構造物
4.7.2 動吸振器の設計とその効果
4.7.3 実験による検証
4.8 最後に
参考文献

5. アクティブ・ハイブリッド動吸振器
5.1 磁気減衰力と電磁力を併合したハイブリッド動吸振器
5.2 理論解析と制御系設計
5.2.1 力学モデルと運動方程式
5.2.2 状態方程式表示
5.2.3 無次元化状態方程式表示
5.2.4 制御系設計
5.3 ハイブリッド動吸振器の制振効果
5.3.1 制振効果に及ぼす重み係数q1,q3の影響
5.3.2 アクティブ動吸振器との消費エネルギーの比較
5.3.3 信頼性の検討
5.4 低次元化モデル作成法
5.4.1 低次元化モデル作成法について
5.4.2 低次元化運動方程式の導出
5.4.3 塔状構造物のモデリング
5.4.4 平板構造物のモデリング
5.5 振動制御
5.5.1 塔状構造物の1次モードの制御
5.5.2 塔状構造物の1次,2次モードの振動制御
5.5.3 平板構造物の振動制御
5.6 最後に
参考文献

6. 定点理論を応用した制振装置設計
6.1 振り子式制振装置の最適設計法
6.1.1 本装置の構成
6.1.2 周波数伝達関数
6.1.3 最適同調条件
6.1.4 最適減衰条件
6.1.5 最適調整時の最大振幅比
6.1.6 最適同調,最適減衰図表
6.1.7 最適調整時の応答倍率曲線
6.1.8 実構造物への応用
6.2 可調整振り子式制振装置
6.2.1 可調整振り子式制振装置の構造
6.2.2 最適同調とレバー比の関係
6.2.3 主振動系のばね定数変化に対する適応条件
6.2.4 主振動系の質量変化に対する適応条件
6.2.5 質量Mが変化する場合
6.2.6 実験による検証
6.3 流体封入エンジンマウントの最適設計法
6.3.1 自動車用流体封入エンジンマウントについて
6.3.2 流体封入エンジンマウントの構造とモデリング
6.3.3 周波数伝達関数
6.3.4 最適設計法
6.3.5 最適設計時の最大振幅比
6.3.6 制振効果の解析
6.3.7 実験
6.4 最後に
参考文献

7. 連続体構造物の制振への応用
7.1 金属バットのしびれ防止への適用
7.1.1 金属バットの形状
7.1.2 実験モード解析
7.1.3 動吸振器の形状
7.1.4 実験方法
7.1.5 動吸振器による振動制御効果
7.2 Γ形構造物の制振
7.2.1 Γ形構造物の構造
7.2.2 Γ形構造物の振動特性と振動モード形
7.2.3 動吸振器の取付け点の等価質量
7.2.4 二重動吸振器による制振効果の解析
7.2.5 実験による検証
7.3 配管系の制振
7.3.1 配管系の制振について
7.3.2 配管モデルの形状と振動解析
7.3.3 動吸振器の設置場所とその点の等価質量
7.3.4 二重動吸振器の設計
7.3.5 制振効果
7.3.6 実験による制振効果の確認
7.4 最後に
参考文献

8. 工作機械のビビリ振動抑制への応用
8.1 工作機械のビビリ振動について
8.2 ビビリ安定判別線図(Merritt線図)
8.3 動吸振器によるボーリングバーの動剛性の改善
8.3.1 ボーリングバーの動剛性改善について
8.3.2 動吸振器内蔵のボーリングバーの構成
8.3.3 各部形状の決定
8.3.4 動剛性の測定方法と測定結果
8.3.5 ビビリ振動の発生限界の調査
8.3.6 切削実験による検討
8.4 門型工作機械模型のビビリ振動抑制
8.4.1 動吸振器を内蔵した門型工作機械模型
8.4.2 Merritt線図を用いたビビリ安定領域の調査
8.4.3 使用した動吸振器
8.4.4 ビビリ振動抑制効果の実例
8.4.5 可調整機構を有する動吸振器の効果
8.5 アクティブ動吸振器によるビビリ振動抑制効果の予測
8.5.1 対象とする工作機械構造物
8.5.2 アクティブ動吸振器の設計
8.5.3 Merritt線図によるビビリ振動に対する安定限界の調査
8.6 最後に
参考文献

9. 騒音制御・遮音への応用
9.1 騒音の低減化のための動吸振器設計法
9.2 有限要素法による平板の振動解析
9.2.1 対象構造物の概要
9.2.2 平板の振動特性
9.3 境界要素法による放射音の予測
9.3.1 音場解析
9.3.2 放射音の予測
9.4 動吸振器の設計と振動・騒音低減効果
9.4.1 動吸振器の設計
9.4.2 制振効果と騒音抑制効果
9.5 実験
9.5.1 実験装置の概要
9.5.2 実験モード解析結果
9.5.3 使用した二重動吸振器の構造
9.5.4 振動制御効果と放射音低減効果
9.6 アクティブ遮音のための平板の振動制御
9.6.1 LQ制御による平板の振動制御について
9.6.2 平板の振動特性
9.6.3 LQ制御
9.6.4 ハイブリッド動吸振器による遮音効果
9.7 最後に
参考文献

10. 土木・建築構造物への応用
10.1 土木・建築分野における動吸振器の活用について
10.2 制振方式と制振装置
10.2.1 制振方式
10.2.2 制振装置
10.3 橋梁構造物の振動制御
10.3.1 主塔構造物の渦励振振動問題
10.3.2 主塔構造物の振動モード形とモデリング
10.3.3 主塔模型構造物の4次モードまでの振動制御
10.4 建築構造物の振動制御
10.4.1 超高層ビルのモデリング
10.4.2 超高層ビルの振動制御
10.5 連結制振法によるトリトンタワーの渦励振に対する制振事例
10.5.1 連結制振法について
10.5.2 トリトンタワーの構造
10.5.3 ビル連結制御法の実現
10.5.4 制振効果
10.5.5 竣工したトリトンタワー
10.6 最後に
参考文献

索引

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「計測と制御」2011年3月号 掲載日:2011/04/22

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