回転機械の振動 - 実用的振動解析の基本 -

回転機械の振動 - 実用的振動解析の基本 -

本書では振動問題を基礎から実践的に理解できるようにするため,例題を多く,かつ事例研究として実機の関連振動問題を取り上げている。技術者の能力を証明する資格である「ISO機械状態監視診断技術者(振動)」の試験対策に最適。

ジャンル
発行年月日
2009/10/02
判型
A5
ページ数
336ページ
ISBN
978-4-339-04600-7
回転機械の振動 - 実用的振動解析の基本 -
在庫あり
2営業日以内に出荷致します。

定価

5,500(本体5,000円+税)

カートに入れる

購入案内

  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介
  • 広告掲載情報

本書では振動問題を基礎から実践的に理解できるようにするため,例題を多く,かつ事例研究として実機の関連振動問題を取り上げている。技術者の能力を証明する資格である「ISO機械状態監視診断技術者(振動)」の試験対策に最適。

第1章 回転機械の振動問題概観 
1・1 いろいろな回転機械と振動問題  
 1・1・1 各種回転機械
 1・1・2 軸受
 1・1・3 いろいろな要素の不具合と振動誘発
 1・1・4 ロータダイナミクス
1・2 回転機械に発生する振動の種類  
1・3 振動のメカニズムによる分類  
1・4 複雑現象の単純化  

第2章 単振動系の振動 
2・1 固有振動  
 2・1・1 固有振動数
 2・1・2 ばね定数の計算
 2・1・3 エネルギ保存
 2・1・4 ばね部質量の固有振動数に及ぼす影響
2・2 減衰系の自由振動  
 2・2・1 質量・ばね・粘性減衰系
 2・2・2 減衰比ζの実測
 2・2・3 位相進み/遅れと減衰比
2・3 回転軸の不釣合い振動  
 2・3・1 複素変位と運動方程式
 2・3・2 不釣合い振動の複素振幅
 2・3・3 共振曲線
 2・3・4 ナイキスト線図
 2・3・5 共振時の軸受反力
 2・3・6 不釣合い振動の基礎への伝達率
2・4 共振倍率Q値の評価  
 2・4・1 Q値規準
 2・4・2 ハーフパワーポイント法(半値法)によるQ値の実測
 2・4・3 ナイキスト線図によるQ値の実測
 2・4・4 急加速時のQ値再評価
 2・4・5 危険速度通過時の振動

第3章 多自由度系の振動とモード解析 
3・1 多自由度系の運動方程式  
 3・1・1 多質点系
 3・1・2 2自由度系の運動方程式
 3・1・3 多自由度系の運動方程式
3・2 モード解析 (正規モード法) 
 3・2・1 固有値解析
 3・2・2 直交性
 3・2・3 縮小モーダルモデル
 3・2・4 振動応答
3・3 はりのモード解析  
 3・3・1 固有振動数と固有モード
 3・3・2 多質点系のモード解析と連続体のモード解析の対応
 3・3・3 縮小モーダルモデル
 3・3・4 モード偏心ε*
3・4 縮小モーダルモデルの物理モデル化  
 3・4・1 モード質量とは
 3・4・2 質量感応法
3・5 固有振動数の近似計算  
 3・5・1 レイリー(Rayleigh)の方法
 3・5・2 影響係数を用いる方法
 3・5・3 ダンカレー(Dunkerley)の公式
 3・5・4 反復法(べき乗法,Power Method)
 3・5・5 剛性行列法
 3・5・6 伝達マトリックス法

第4章 モード合成法と「擬モーダル法」 
4・1 モード合成法モデル  
 4・1・1 なぜモード合成法か
 4・1・2 グヤン(Guyan)の縮小法
 4・1・3 モード合成法モデル
4・2 擬モーダルモデル  
 4・2・1 擬モーダルモデルの原理
 4・2・2 いろいろな系の擬モーダルモデル例
4・3 プラント伝達関数  

第5章 不釣合いとバランシング 
5・1 剛性ロータの不釣合い  
 5・1・1 静不釣合いと動不釣合い
 5・1・2 静不釣合いと偶不釣合い
 5・1・3 不釣合い振動の及ぼす弊害
 5・1・4 剛体ロータの許容残留不釣合い
5・2 フィールド1面バランス(モード円バランス)  
 5・2・1 回転パルス,不釣合い,振動ベクトルの関係
 5・2・2 線形関係
 5・2・3 影響係数の同定
 5・2・4 修正おもり
 5・2・5 修正おもりの計算
5・3 影響係数法バランス  
5・4 モード別バランス法  
5・5 n面法かn+2面法か  
 5・5・1 両手法の比較
 5・5・2 普遍的なバランスに必要な修正面数
 5・5・3 n+2面法の2とは
5・6 磁気軸受ロータのバランス  
 5・6・1 フィードフォワード(FF)加振を用いたバランス
 5・6・2 事例研究 磁気軸受形遠心圧縮機
5・7 回転パルス信号がないときのバランス  
 5・7・1 3点トリムバランス
 5・7・2 等位相ピッチでおもりを変えるバランス
5・8 2面バランスの解法  
 5・8・1 2面バランスの計算原理
 5・8・2 同相・逆相バランス

第6章 ジャイロ効果と振動特性 
6・1 ロータダイナミクス  
6・2 ジャイロモーメントとこまの運動  
 6・2・1 ジャイロモーメント
 6・2・2 こまの運動方程式とふれまわり解
6・3 ロータ系の固有振動  
 6・3・1 ふれまわり固有振動数
 6・3・2 ジャイロファクタの影響
 6・3・3 多自由度ロータ系のふれまわり固有振動数計算
6・4 不釣合い振動と共振  
 6・4・1 不釣合い共振条件と危険速度
 6・4・2 不釣合い振動共振曲線
 6・4・3 多自由度ロータ系の危険速度計算
6・5 基礎加振時の振動と共振  
 6・5・1 共振条件
 6・5・2 基礎加振に対する強制振動解
 6・5・3 共振曲線とふれまわり軌跡
 6・5・4 事例研究  高速ロータの耐震評価
6・6 玉軸受の玉通過振動と共振  
 6・6・1 玉軸受の仕様
 6・6・2 外輪突起による起振力
 6・6・3 内輪突起による起振力
 6・6・4 共振条件
 6・6・5 事例研究 HDD

第7章 ロータ軸受系の振動特性近似評価 
7・1 1自由度ロータ系の運動方程式  
7・2 等方性支持ロータ系の振動特性  
 7・2・1 保存系の固有振動数
 7・2・2 非保存系パラメータの影響
 7・2・3 パラメータサーベイ
7・3 異方性支持ロータの振動特性  
 7・3・1 保存系の固有振動数
 7・3・2 保存系のだ円ホワール
 7・3・3 ジャイロ効果の影響
 7・3・4 だ円ホワールの形
 7・3・5 非保存系パラメータの影響
 7・3・6 パラメータサーベイ
7・4 ジェフコットロータの振動特性  
 7・4・1 運動方程式
 7・4・2 振動特性
 7・4・3 実モード解析
 7・4・4 複素モード解析
7・5 不釣合い振動の特徴分析  
 7・5・1 運動方程式
 7・5・2 等方性支持ロータ系の不釣合い振動
 7・5・3 異方性支持ロータ系の不釣合い振動
7・6 事例研究 真円軸受・弾性ロータの振動特性  
 7・6・1 危険速度マップ
 7・6・2 複素固有値計算とQ値
 7・6・3 根軌跡
 7・6・4 不釣合い振動共振曲線

第8章 開ループと振動特性近似評価 
8・1 単振動系の開ループ特性  
 8・1・1 質量・ばね・減衰の単振動系と開ループ特性
 8・1・2 開ループ特性の測定
8・2 モード別の開ループ特性  
 8・2・1 モーダルモデル
 8・2・2 モード別開ループ特性
8・3 ジェフコットロータの開ループ特性 
 8・3・1 「2段軸受」と位相進み回路
 8・3・2 開ループ特性
 8・3・3 ゲイン交差周波数と位相余裕
 8・3・4 近似解の精度
 8・3・5 最適減衰比
 8・3・6 周波数応答

第9章 慣性座標系から回転座標系へ 
9・1 振動波形(変位と歪み応力)  
9・2 固有振動数  
9・3 共振条件  
9・4 運動方程式の表現  
 9・4・1 ジャイロモーメントとコリオリ力
 9・4・2 事例研究 多翼ファン(シロッコファン)

第10章 翼・羽根車系の振動解析 
10・1 回転構造物系の固有振動数
 10・1・1 薄い円板の固有振動数
 10・1・2 翼の固有振動数
 10・1・3 周期対称構造物系の振動解析
 10・1・4 回転座標系での翼・羽根車の一般的振動解析
10・2 翼・羽根車振動と共振  
 10・2・1 翼軸連成振動条件
 10・2・2 翼・羽根車の固有振動モード
 10・2・3 翼・羽根車に作用する強制力
 10・2・4 翼共振条件
 10・2・5 翼共振判定図表:キャンベル線図
10・3 翼・羽根車の静止側からの加振
 10・3・1 加振方法および共振条件の違いについて
 10・3・2 翼・羽根車振動の慣性座標系での表現
 10・3・3 共振条件1
 10・3・4 共振条件2

第11章 ロータ系の安定性問題 
11・1 ロータの内部減衰による不安定振動
 11・1・1 運動方程式
 11・1・2 安定条件
 11・1・3 安定性解析
11・2 非対称回転軸系の不安定振動
 11・2・1 運動方程式
 11・2・2 非対称回転軸の振動概観
 11・2・3 非対称回転軸の振動シミュレーション
11・3 接触摩擦による熱曲がり振動
 11・3・1 熱曲がり
 11・3・2 熱曲がりモデル
 11・3・3 安定性解析
 11・3・4 安定性の分析
 11・3・5 熱曲がり振動シミュレーション
11・4 磁気軸受ロータの熱曲がり振動
 11・4・1 熱曲がりモデル
 11・4・2 安定性解析
 11・4・3 安定性の分析
 11・4・4 熱曲がり振動シミュレーション

第12章 軸振動解析ソフトMyROT 
12・1 回転軸系データ
 12・1・1 ロータ図面とメッシュ分割
 12・1・2 ロータ系のデータ構成
12・2 行列
 12・2・1 オリジナル系の行列
 12・2・2 グヤン(Guyan)法の縮小行列
 12・2・3 モード合成法モデルの行列
 12・2・4 はり要素の離散化
12・3 解析処理(ジョブコマンド)
 12・3・1 解析処理メニュー
 12・3・2 解析例
 12・3・3 エディット画面
付録 
 付録1 近似モード別運動方程式  
 付録2 非保存系パラメータの影響  
引用・参考文献  
索引  

松下 修己

松下 修己(マツシタ オサミ)

【略歴】
1967年3月 九州工業大学制御工学科卒業
1969年3月 九州工業大学院工学研究科機械工学専攻修了
1972年3月 東京大学大学院工学系研究科博士課程 修了
学位 東京大学 工学博士(1979年7月)「摩擦クラッチ結合過程の振動について」
1972年4月 日立製作所 機械研究所入所
1983年8月 同 主任研究員
     圧縮機,タービン,遠心機などの回転機械の振動研究に従事
1990年4月 日本機械学会論文賞受賞 機論集53-46C(1987-12),pp.2453-2458
1990年9月 日立製作所 土浦工場 主任技師の異動
磁気軸受形遠心圧縮機の開発プロジュエクトに従事
1993年4月 防衛大学校 機械工学科 教授に転出
     機械力学・振動工学,制御工学関連の研究と教育に従事  
2010年4月 防衛大学校 定年退職 
2010年5月 MyROT研究所設立,コンサルティング業務に従事,今日に至る
2011年6月  ASME論文賞受賞 J.of Gas Turbine and Power,Vol.113, 022501-1〜8(2011-2)
2017年4月 春の叙勲 瑞宝小授章を受章

【資格】
2008年11月 ISO準拠 機械状態監視診断技術者(振動)Category 4

【学協会活動】
1991年3月~1994年3月 日本機械学会v_BASE研究会設立主査
        振動問題データベース集の出版
1997年~2010年 ISO TC108/SC2/WG7 「磁気軸受形回転機械の振動」設立 主査
2002年~2005年 NEDO:磁気軸受技術のISO国際標準化プロジェクト 主査

松下修己のおすすめ本ランキング

田中 正人

田中 正人(タナカ マサト)

【プロフィール】
東京大学工学部で機械工学を学び,同大学院修士課程,博士課程を修了後,東京大学,(独)大学評価・学位授与機構,富山県立大学で計40年間勤務

専門領域はすべり軸受のトライボロジー,すべり軸受でささえた回転軸の振動

日本機械学会,日本トライボロジー学会,ターボ機械協会の会員として活動

海外を含め多くのエンジニアと交流しつつ,将来産業界で必要とされる技術につながる先導的な各種基礎研究の遂行,推進に従事

神吉 博(カンキ ヒロシ)

小林 正生

小林 正生(コバヤシ マサオ)

【略歴】
1977年3月  東京工業大学大学院修士課程修了
1977年4月  石川島播磨重工業(株)( 現 (株)IHI )入社
1993年3月  博士(工学)(東京工業大学)
「非線形軸受で支持された回転軸系における振動解析法の研究」
2003年4月   (株)IHI 基盤研究所 部長
2007年4月  同社 技術開発本部 技監
2018年1月  同社 技術開発本部 基盤振動 シニアエンジニア
2021年3月  同社 退社

専門は,機械力学,ロータダイナミクス

【学協会活動】
日本機械学会 機械力学・計測制御部門で振動工学データベース(v_BASE)研究会やロータダイナミックス研究会などに所属して活動中
日本機械学会では,関東支部支部長,副会長,理事,監事を歴任,現在は名誉員
日本技術者教育認定機構(JABEE)理事,日本工学会理事を歴任

掲載日:2023/11/07

日本機械学会誌2023年11月号