機械設計工学

機械系コアテキストシリーズ E-2

機械設計工学

材料や加工法の基礎から機械の仕組み,さらには人間と機械の適合性などもわかりやすく解説

ジャンル
発行年月日
2020/02/28
判型
A5
ページ数
166ページ
ISBN
978-4-339-04540-6
機械設計工学
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定価

2,420(本体2,200円+税)

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機械設計に必要となる材料および加工法の基礎から軸や歯車など動力や運動の伝達方法の仕組み、部品の結合方法、機械システムの設計,さらには人間と機械の適合性や,安全設計・信頼性設計,最適設計などについてもわかりやすく解説。

設計とは,運動と振動,材料と構造,エネルギーと流れ,情報と計測・制御など,さまざまな分野の技術や知見を総合し,人々の生活や社会に貢献する製品(モノ,コト)を創り出す知的行為である。したがって,実社会や産業界における設計は,工学や技術に加え,人々のニーズや市場,審美性,経済性,社会受容性など,さまざまな要因が総合されたものである。その中で,機械工学を学び始める大学の学部学生や高等専門学校の学生にとって必須な内容は何か,それをどう説明すればわかりやすいかを考えて,著者らが東京大学の学部2年生を対象に行ってきた機械設計の講義内容を再構成したものが本書である。

以上の観点から,本書は1~4章,10章,11章を村上,5~9章を柳澤が担当し,大きくつぎの五つの内容で構成した。

一つめは,これから学ぶ「設計」とは何かという導入的な内容で,1章がそれに当たる。工学における設計,機械の設計とは,何をどのように考える行為であるか,という観点から,機械の設計における,機能,挙動,構造の概念と,概念設計,実体設計,詳細設計という設計の過程について説明し,機械工学を学び始める学生にとっても理解容易な具体例を取り上げている。

二つめは,設計した機械を製造するための材料と加工法に関する内容であり,2章がこれに当たる。設計した機械が実現する機能は,部品にどのような形状や性質を持たせ,それをどのような構成で組み立てるかにより決定される。そして,部品にどのような形状や性質を持たせ,どのように組み立てられるかは,使用する材料や加工法により決定される。そのような観点から,機械の設計において考慮すべき,強度,剛性,硬さなどの材料の基本的な性質,代表的な材料と加工法の種類や性質について説明している。

三つめは,代表的な機械要素の種類と,それに関する基本的な理論,使い方に関する内容であり,3~8章がこれに当たる。さまざまな機械において共通的に用いられる機能,挙動,構造の要素は,機械要素として用意されており,それをうまく活用することにより,優れた機械を効率的に低コストで設計,製作することができ,また経時変化や故障に対する交換部品の入手も容易で,メンテナンス性も向上する。そのような観点から,機械における最も基本的な機能の一つである運動,動力の伝達に関係する代表的な機械要素として,軸,軸受,歯車,キー,スプライン,セレーション,軸継手,ねじ,運動の変換,サーボモータの基本的な理論や使い方について説明している。

四つめは,製品を使用する人間について考慮して設計する考え方に関する内容であり,9章がこれに当たる。製品の設計において,使用する人間にとっての安全,わかりやすさ,使いやすさを考慮することは重要であり,それに関連する項目として,人間工学,ユーザビリティ,アフォーダンス,安全設計の指針について説明している。

五つめは,より優れた設計を行うための考え方に関する内容であり,10章,11章がこれに当たる。ここでは,故障することなく機能を確実に実行できる機械を設計するための「信頼性設計」,決められた条件の範囲内で最良の製品を設計するための「最適設計」,機械の製作における誤差や,温度,振動,荷重など使用条件の不確定要因を想定した上で最良の設計を行う「ロバスト設計」の基本について,学生にとっても理解容易な具体例を取り上げながら説明している。本書が,機械工学を学び始める学生にとって,設計について興味を持ち,理解を深める一助となることを願っている。
末筆ながら,本書執筆の機会をいただいたコロナ社に,心から謝意を表する。

2019年12月 著者を代表して村上存

1.設計とは
1.1 設計の内容
1.2 設計の過程
1.3 設計の例:空き飲料容器選別システム
1.4 機械要素と規格
演習問題

2.設計と材料・加工法
2.1 機械設計において考慮する材料の性質
 2.1.1 材料の機械的性質
 2.1.2 材料の物理的性質
2.2 代表的な機械材料
 2.2.1 金属材料
 2.2.2 非金属材料
 2.2.3 特殊材料
2.3 代表的な加工法
 2.3.1 除去加工
 2.3.2 変形加工
 2.3.3 付加加工
2.4 熱処理
2.5 ライフサイクル設計
演習問題

3.動力・運動の伝達1:軸の設計
3.1 軸の種類
3.2 軸の強度
 3.2.1 許容応力と安全率
 3.2.2 軸に生じる応力
 3.2.3 軸の強度設計
3.3 軸のねじり剛性
3.4 軸の座屈
3.5 軸に関する規格
演習問題

4.動力・運動の伝達2:軸受の設計
4.1 軸受の種類
 4.1.1 自己潤滑軸受
 4.1.2 流体潤滑軸受
 4.1.3 磁気軸受
 4.1.4 滑り軸受と転がり軸受の比較
4.2 転がり軸受の種類
 4.2.1 ラジアル軸受
 4.2.2 スラスト軸受
 4.2.3 転がり軸受の特性
4.3 転がり軸受の寿命
 4.3.1 転がり疲れ寿命
 4.3.2 耐圧痕性
4.4 転がり軸受の潤滑
4.5 軸受とハウジングのはめあい
演習問題

5.動力・運動の伝達3:歯車による伝達
5.1 動力伝達要素としての歯車
5.2 歯車の種類と用途
5.3 歯の並び
5.4 インボリュート歯形
5.5 インボリュート歯形の創成
5.6 歯車の基本仕様
5.7 かみあい率
5.8 バックラッシ
5.9 歯車の選定
5.10 歯車の材質
5.11 遊星歯車減速機
演習問題

6.動力・運動の伝達4:接続
6.1 軸と回転体の接続
 6.1.1 圧力ばめ
 6.1.2 止めねじ
 6.1.3 キー
6.2 キーの種類
6.3 キー溝の加工法と製図
6.4 スプラインとセレーション
6.5 軸と軸の接続
 6.5.1 心ずれを極力抑えた設計
 6.5.2 ある程度の心ずれを許容する設計
 6.5.3 偏角を前提とした設計
演習問題

7.結合
7.1 部品の結合とねじ
7.2 ねじの基本要素
 7.2.1 リードとピッチ
 7.2.2 ねじ山の形
7.3 ねじ部品の種類
 7.3.1 六角ボルト,六角ナット
 7.3.2 六角穴付きボルト
 7.3.3 座金
 7.3.4 小ねじ
7.4 ボルトによる締結
7.5 軸力と締結トルク
7.6 ねじの自立
7.7 ねじ効率
7.8 ボルトの締結トルク
7.9 締結の方法
7.10 ねじの強度
7.11 ねじの緩み止め
7.12 ねじの作り方
演習問題

8.機械システム設計
8.1 回転運動と直線運動の変換
8.2 回転機械の等価慣性モーメント
8.3 直動を含む等価慣性モーメント
 8.3.1 ラックアンドピニオンの場合
 8.3.2 送りねじを用いた搬送装置
8.4 動力源の仕様を決める
 8.4.1 歯車減速機の場合
 8.4.2 送りねじを用いた搬送機械の場合
8.5 サーボモータの選定
演習問題

9.人と機械の適合
9.1 人間工学
9.2 ユーザビリティ
9.3 わかりやすい操作系のための設計指針
 9.3.1 グルーピングと階層化
 9.3.2 操作系の配置
 9.3.3 アフォーダンス
9.4 安全に対する設計指針
 9.4.1 フールプルーフ
 9.4.2 フェールセーフ
 9.4.3 インターロック
演習問題

10.信頼性設計
10.1 信頼性
10.2 信頼性特性値
 10.2.1 信頼度
 10.2.2 故障分布関数
 10.2.3 故障率
 10.2.4 故障までの平均動作時間
 10.2.5 平均故障間動作時間
10.3 信頼性ブロック図
10.4 故障木解析
 10.4.1 システムの信頼性の定性的評価
 10.4.2 システムの信頼性の定量的評価
10.5 信頼性設計の方針
演習問題

11.最適設計・ロバスト設計
11.1 最適設計
11.2 ロバスト設計
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

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