構造物の振動制御

産業制御シリーズ 11

構造物の振動制御

本書は,モデルベース振動制御法,連結制御法など,広く一般的な構造物の振動制御に適用できる方法論を提供している。土木・建築・機械構造物や実際の超高層ビルへの適用例などを紹介し読者が平易に理解できるように工夫した。

ジャンル
発行年月日
2006/04/10
判型
A5 上製
ページ数
262ページ
ISBN
978-4-339-04431-7
構造物の振動制御
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定価

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本書は,モデルベース振動制御法,連結制御法など,広く一般的な構造物の振動制御に適用できる方法論を提供している。土木・建築・機械構造物や実際の超高層ビルへの適用例などを紹介し読者が平易に理解できるように工夫した。

1. 序章
 1.1 はじめに
 1.2 振動制御について
 1.3 構造物の振動制御とは
 1.4 建築構造物の制御の状況
  1.4.1 パッシブ制御からアクティブ制御へ
  1.4.2 建築構造物の制御方式の分類と特微
  1.4.3 建物のアクティブ制御の実施状況
 1.5 土木構造物の制御の状況
 1.6 機械構造物の制御の状況
 1.7 宇宙構造物の制御の状況
 1.8 振動制御の課題
  1.8.1 低次元化モデルとスピルオーバ
  1.8.2 スピルオーバ防止を考慮した集中定数系モデル作成法
  1.8.3 ロバスト制御

2. 制振法と制振装置
 2.1 はじめに
 2.2 振動制御法の分類
  2.2.1 固定面を用いた制振装置
  2.2.2 補助質量を用いた制振装置
  2.2.3 構造物の相互作用を用いた制振法
 2.3 制振装置の構成要素と構成法
  2.3.1 制振装置質量(重り)の支持方式
  2.3.2 減衰要素
  2.3.3 ばね要素
  2.3.4 能動要素(アクチュエータ)
 2.4 定点理論
 2.5 1.5自由度系
 2.6 動吸振器
  2.6.1 振幅倍率
  2.6.2 最適設計式
  2.6.3 動吸振器の制振効果と問題点
 2.7 複合動吸振器の最適設計
  2.7.1 変位振幅倍率
  2.7.2 最適調整条件
  2.7.3 複合動吸振器の制振性能
 2.8 連結ダンパ
  2.8.1 振動モデル
  2.8.2 理論解析
  2.8.3 最適調整条件式
 2.9 あとがき

3. 多自由度系のモード解析と制振
 3.1 はじめに
 3.2 1自由度系の応答の要点
  3.2.1 減衰自由振動の応答
  3.2.2 強制振動の応答
  3.2.3 等価減衰と制振設計
 3.3 多自由度系の運動方程式
 3.4 固有値解析
  3.4.1 固有値と固有ベクトル
  3.4.2 固有ベクトルの直交性
 3.5 モード座標
 3.6 強制振動の応答
 3.7 等価質量の同定
  3.7.1 等価質量の概念
  3.7.2 固有ベクトル法
  3.7.3 質量感応法
 3.8 非連成モデルの作成法
 3.9 多自由度系のモード制振理論
 3.10 動吸振器による多自由度系の振動制御法
  3.10.1 動吸振器の設置場所
  3.10.2 各モードの動吸振器の最適設計
 3.11 建築構造物の制振設計
  3.11.1 4階建て住宅の制振設計
  3.11.2 10階建てビルの制振設計
 3.12 分布定数系構造物の制振
  3.12.1 片持ばり構造物
  3.12.2 橋梁の多モード制振
 3.13 あとがき

4. 構造物のための制御理論
 4.1 はじめに
 4.2 古典制御理論
  4.2.1 設計の要点
  4.2.2 古典制御における補償法
  4.2.3 直列補償
  4.2.4 ノッチフィルタ
  4.2.5 フィードバック補償
 4.3 現代制御理論
  4.3.1 多自由度系の運動方程式と状態方程式
  4.3.2 伝達関数と状態方程式
  4.3.3 可制御性と可観測性
  4.3.4 状態フィードバックと安定性
  4.3.5 極配置理論
  4.3.6 最適制御理論(LQ制御理論)
  4.3.7 準最適制御
  4.3.8 フィルタ包含LQ制御(簡易ロバスト制御)
  4.3.9 LQI制御
 4.4 H∞制御理論
  4.4.I Hノルムと設計仕様
  4.4.2 ロバスト安定問題
  4.4.3 感度低減問題
  4.4.4 混合感度問題
  4.4.5 H∞制御問題の解
 4.5 あとがき

5. 構造物の低次元化モデル作成法
 5.1 はじめに
 5.2 従来の低次元化モデル作成法
  5.2.1 分布定数系構造物の運動方程式
  5.2.2 従来のいろいろな方法
 5.3 構造物の低次元化物理モデル作成法
  5.3.1 構造物における振動モード形と可制御・可観測性の対応
  5.3.2 スピルオーバ防止を考慮した集中定数系物理モデル作成法
  5.3.3 低次元化運動方程式の導出
 5.4 塔状構造物のモデリング
  5.4.1 2質点モデル
  5.4.2 塔状構造物の形状
  5.4.3 2自由度系物理モデル
  5.4.4 計算結果の比較
 5.5 平板構造物の曲げねじりモードの低次元化モデル
  5.5.1 3質点モデル
 5.6 吊橋主塔模型構造物の4質点モデル
  5.6.1 主塔模型構造物の形状と振動特性
  5.6.2 4質点モデルの作成
 5.7 弾性支持された平板構造物のモデリング
  5.7.1 構造寸法と振動特性
  5.7.2 5質点モデル
  5.7.3 5質点モデルの検証
 5.8 あとがき

6. アクティブ動吸振器
 6.1 はじめに
 6.2 一般構造物の1次モードのアクティブ動吸振器による制振
  6.2.1 設置場所と1自由度モデル
  6.2.2 アクティブ動吸振器の構造
  6.2.3 状態方程式による記述と制御系設計
  6.2.4 制振効果に及ぼす重み係数の影響
  6.2.5 アクチュエータの動特性の影響
  6.2.6 次元系の応答
  6.2.7 極配置理論によるアクティブ動吸振器の設計
 6.3 塔状構造物の振動制御
  6.3.1 塔状構造物とその低次元化モデル
  6.3.2 アクティブ動吸振器の構造
  6.3.3 制御系設計
  6.3.4 シミュレーション
  6.3.5 制御系の構成
 6.4 平板構造物の曲げとねじりモードの振動制御
  6.4.1 制御対象と状態方程式
  6.4.2 LQ制御理論による振動制御
  6.4.3 H∞制御による制御系設計
 6.5 あとがき

7. 土木構造物の制御
 7.1 はじめに
 7.2 長大橋主塔構造物の渦励振と振動制御
 7.3 主塔構造物のモデリング
  7.3.1 2質点モデルと4質点モデル
  7.3.2 6質点モデル
 7.4 主塔模型構造物の4次モードまでの制御
  7.4.1 フィルタ包含LQ制御法による主塔構造物の振動制御
  7.4.2 シミュレーション
  7.4.3 振動制御実験
 7.5 クレーンタワーで結合された主塔模型構造物の振動制御
  7.5.1 クレーン塔と主塔の連成振動問題
  7.5.2 振動モード形と5質点モデル
  7.5.3 主塔模型構造物モデルの状態方程式
  7.5.4 フィルタ包含準最適制御
  7.5.5 H∞ロバスト制御
 7.6 あとがき
 
8. 建築構造物の制御
 8.1 はじめに
 8.2 ビル構造物のモデリング
  8.2.1 矩形断面構造ビルの場合
  8.2.2 長方形断面構造ビルの場合
  8.2.3 連結構造ビルの場合
 8.3 20階建てビルのベンチマーク問題
  8.3.1 ベンチマーク問題とは
  8.3.2 ベンチマークビルの構造と振動特性
  8.3.3 20階建てビルの低次元モデル
  8.3.4 状態方程式表示と制御系設計
  8.3.5 シミュレーション結果
 8.4 ビル連結制御
  8.4.1 ビル連結制御法について
  8.4.2 4棟のビル模型制御対象の振動特性
  8.4.3 低次元化物理モデルの作成
  8.4.4 状態方程式
  8.4.5 制御実験
 8.5 トリトンタワーの渦励振制御
  8.5.1 トリトンタワーの渦励振問題
  8.5.2 トリトンタワーのモデリング
  8.5.3 制御系設計
  8.5.4 シミュレーション
  8.5.5 ビル連結制御法の実現
 8.6 居住性,便利性,安全性を備えた未来都市を目指して

Ichinomiya16 様

本書は題名の通り、構造物を対象とした振動制御を扱っており、主に、動吸振器(TMD:Tuned mass damper)を扱う書籍である。前半はパッシブ型の動吸振器を主に扱い、後半はアクティブ型の動吸振器の解説も含まれていて、取り扱う範囲は非常に広い。また、後半は導入として、制御理論の入門的な解説もあり、この一冊でアクティブ・パッシブの入門としての知識を殆どカバーできる。
また、数値例題も多いことから、MATLABなどで学習する際にも助けになり、理解をさらに深める事のみならず、「使う」ことにも慣れる。

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