改訂 金属物理学序論 - 構造欠陥を主にした -

標準金属工学講座 9

改訂 金属物理学序論 - 構造欠陥を主にした -

金属物理学は,物理学的には結晶学,統計力学,電子論等の金属に対する応用ということになる。本書は,原子の構造から結晶学,点欠陥,拡散,塑性変形,強度,破壊等について詳述した。

ジャンル
発行年月日
1973/05/15
判型
A5 上製
ページ数
386ページ
ISBN
978-4-339-04287-0
改訂 金属物理学序論 - 構造欠陥を主にした -
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定価

3,850(本体3,500円+税)

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金属物理学は,物理学的には結晶学,統計力学,電子論等の金属に対する応用ということになる。本書は,原子の構造から結晶学,点欠陥,拡散,塑性変形,強度,破壊等について詳述した。

第1章 原子の構造
1.1 原子核
1.2 核外電子
1.3 まとめ
第2章 簡単な結晶学
2.1 結晶の外形からの分類
2.2 結晶構造と空間格子
  2.2.1 結晶構造
  2.2.2 空間格子
  2.2.3 単位格子
  2.2.4 単位格子内の一点の座標の表わし方
2.3 ミラー指数
  2.3.1 面の表わし方
  2.3.2 方向の表わし方
  2.3.3 立方格子におけるミラー指数間の関係
2.4 六方用指数
  2.4.1 面の表わし方
  2.4.2 方向の表わし方
2.5 球面投影
2.6 ステレオ投影
  2.6.1 ステレオ投影の方法
  2.6.2 Nを通る大円の投影
  2.6.3 ステレオ投影網
  2.6.4 ステレオ投影網の簡単な使い方
2.7 結晶の標準投影
2.8 まとめ
第3章 純金属の結晶構造
3.1 結晶の種類
3.2 元素の結晶構造
3.3 純金属の代表的な結晶構造の特徴
3.4 多形と同素変態
  3.4.1 多形と同素変態
  3.4.2 同素変態の実例
  3.4.3 同素変態に及ぼす強圧の影響
3.5 まとめ
第4章 実在の金属の構造
4.1 結晶粒
4.2 実在結晶の構造不完全性
4.3 純金属中の不純物
  4.3.1 純金属中の不純物の実例
  4.3.2 不純物の存在状態
  4.3.3 重量パーセントと原子パーセント
4.4 構造敏感な性質
4.5 まとめ
第5章 点欠陥,特に空孔
5.1 点欠陥の種類
  5.1.1 原子空孔
  5.1.2 格子間原子
  5.1.3 不純物原子
5.2 空孔の熱平衡濃度の理論式
  5.2.1 ある温度における空孔の平衡濃度
  5.2.2 空孔の濃度式の求め方
  5.2.3 複空孔の熱平衡濃度式
5.3 格子間原子の熱平衡濃度の理論式
5.4 点欠陥の形成エネルギーの理論値
5.5 空孔の形成エントロピーの考察
  5.5.1 空孔に隣接する原子の振動数の変化の効果
  5.5.2 結晶の熱膨張の効果
5.6 熱平衡空孔の物性に及ぼす影響
  5.6.1 空孔の電気抵抗に対する寄与
  5.6.2 空孔の体積に対する寄与
  5.6.3 空孔の比熱に対する寄与
5.7 熱平衡にある空孔濃度の測定法
5.8 熱平衡以上の濃度の点欠陥の形式
  5.8.1 急冷による方法
  5.8.2 塑性加工による方法
  5.8.3 粒子線照射による方法
5.9 焼入れによる過剰空孔の物性に及ぼす影響
  5.9.1 焼入れ空孔と電気抵抗
  5.9.2 焼入れした空孔と体積変化
  5.9.3 急冷硬化現象
5.10 化学量論的組成からのずれによる空孔の形成
5.11 まとめ
第6章 拡散
6.1 拡散についてのフィックの法則
  6.1.1 フィックの第1法則
  6.1.2. フィックの第2法則
  6.1.3 応用例
6.2 拡散係数の物理的意味
  6.2.1 拡散係数の原子的考察
  6.2.2 拡散係数の温度依存性
6.3 拡散の活性化エネルギーに関する考察
  6.3.1 活性化エネルギーの物理的意味
  6.3.2 拡散の活性化エネルギーの物理的意味
6.4 拡散の振動数因子に関する考察
  6.4.1 拡散の活性化エントロピーの導入
  6.4.2 相関係数の導入
6.5 自己拡散
6.6 拡散の機構
  6.6.1 溶質原子が小さく侵入型にはいる場合
  6.6.2 溶質原子が置換型にはいる場合
  6.6.3 拡散機構の判定
6.7 フィックの法則の修正
  6.7.1 俣野の解法
  6.7.2 ダーケンの理論
  6.7.3 拡散係数が濃度に依存する理由
6.8 カーケンドール効果
  6.8.1 カーケンドールの実験
  6.8.2 カーケンドール効果の意義
  6.8.3 カーケンドール効果とダーケンの理論
6.9 粒界拡散
6.10 まとめ
第7章 塑性変形
7.1 単結晶の作り方
  7.1.1 ひずみ焼なまし法
  7.1.2 凝固法
7.2 単結晶の方位の決め方
  7.2.1 X線回析法
  7.2.2 エッチ・ピット法
  7.2.3 光像法
7.3 単結晶の塑性変形
  7.3.1 すべり変形
  7.3.2 双晶変形
  7.3.3 その他の変形
7.4 すべり変形の結晶学的特徴
7.5 すべり変形を起こす臨界せん断応力
  7.5.1 臨界せん段応力一定の法則(シュミットの法則)
  7.5.2 温度の影響
  7.5.3 微量固溶元素および固溶不純物の影響
  7.5.4 合金の影響
  7.5.5 シュミット法則からのずれ
7.6 応力・ひずみ曲線
  7.6.1 せん段応力・せん断ひずみ曲線の求め方
  7.6.2 結晶の方位による差異
  7.6.3 温度の影響
  7.6.4 合金の影響
  7.6.5 引張変形による単結晶の軸方向の変化
7.7 すべり線の形態
7.8 双晶変形
7.9 まとめ
第8章 転位の基礎
8.1 理想結晶のせん断応力
8.2 転位における原子配列
  8.2.1 刃状転位
  8.2.2 らせん転位
  8.2.3 混合転位
  8.2.4 注意事項
8.3 バーガース・ベクトル
  8.3.1 転位の性質とすべり
  8.3.2 バーガース・フランクによるバーガース・ベクトルの定義
  8.3.3 バーガース・ベクトルの基本的性質
8.4 転位を動かすに要するせん断応力
8.5 転位のまわりの弾性応力場
  8.5.1 らせん転位の場合
  8.5.2 刃状転位の場合
  8.5.3 混合転位の場合
  8.5.4 非等方性結晶の場合
8.6 転位の自己エネルギー
  8.6.1 弾性エネルギー
  8.6.2 しんのエネルギー
  8.6.3 単位長さあたりの転位の自己エネルギー
  8.6.4 転位の線張力
8.7 二つの転位間に作用する力
  8.7.1 平行なバーガース・ベクトルをもつ互いに平行な2本の刃状転位
  8.7.2 2本の平行ならせん転位
8.8 転位の運動
  8.8.1 すべり運動
  8.8.2 転位に働く力
  8.8.3 上昇運動
8.9 転位のジョグ
  8.9.1 刃状転位のジョグ
  8.9.2 らせん転位のジョグ
  8.9.3 スーパー・ジョグ
  8.9.4 転位の交差によるジョグの形成
8.10 転位と点欠陥
  8.10.1 ジョグをもつらせん転位の移動
  8.10.2 ジョグをもった混合転位の移動
  8.10.3 2本の刃状転位の消滅による点欠陥の形成
8.11 転位網
8.12 転位の増殖
  8.12.1 フランク-リード機構
  8.12.2 表面のフランク-リード源
  8.12.3 その他の増殖機構
  8.12.4 ギルマン-ジョンストンの機構
8.13 刃状転位と溶質原子との間に作用する力
  8.13.1 置換型の溶質原子の場合
  8.13.2 侵入型の溶質原子の場合
  8.13.3 溶質原子による固着の強さ
8.14 マクロなひずみ
8.15 まとめ
第9章 転位の観察
9.1 あわ模型と転位
  9.1.1 あわ模型
  9.1.2 転位の観察
9.2 結晶のらせん成長と転位
  9.2.1 結晶成長の古典論
  9.2.2 らせん成長の古典論
  9.2.3 らせん模様の観察
9.3 デコレーション法による転位の観察
9.4 エッチ・ピット法による転位の観察
  9.4.1 エッチ・ピット法
  9.4.2 エッチ・ピットと転位の対応
  9.4.3 エッチ・ピット法の応用
9.5 透過電子顕微鏡法による転位の観察
  9.5.1 電子顕微鏡の構造
  9.5.2 電子顕微鏡用試料の作成法
  9.5.3 金属薄膜試料の電顕像のコントラスト
  9.5.4 透過電子顕微鏡法の応用
9.6 X線回析顕微鏡法による転位の観察
9.7 電界イオン顕微鏡法による転位の観察
  9.7.1 電界イオン顕微鏡の構造
  9.7.2 結晶構造および転位の観察
9.8 まとめ
第10章 結晶粒界
10.1 あわ模型で見た結晶粒界の構造
10.1 界面の種類
  10.2.1 双晶の界面
  10.2.2 亜境界
  10.2.3 2相の界面
10.3 小傾角境界
  10.3.1 対称性の小傾角境界
  10.3.2 非対称性の小傾角境界
  10.3.3 小傾角境界の移動性
10.4 ねじり境界
10.5 大角粒界
10.6 粒界エネルギー
  10.6.1 理論
  10.6.2 実験
10.7 粒界への平衡偏析
  10.7.1 粒界エネルギーの減少からの説明
  10.7.2 粒界の構造からの説明
10.8 塑性変形に及ぼす粒界の影響
  10.8.1 集積転位
  10.8.2 集積転位の証拠
  10.8.3 多結晶純金属の降伏強度の考え方
10.9 まとめ
第11章 転位と結晶構造
11.1 完全転位と部分転位
  11.1.1 不完全転位あるいは部分転位
  11.1.2 結晶構造と関係づけたバーガース・ベクトルの表わし方
11.2 面心立方結晶における拡張転位
  11.2.1 ハイデンライク-ショックレイの拡張転位
  11.2.2 拡張転位の挙動
  11.2.3 積層欠陥エネルギーと塑性変形
11.3 転位の分解および反応
  11.3.1 完全転位が部分転位に分かれるための条件
  11.3.2 転位の反応
11.4 面心立方結晶における不動転位
  11.4.1 フランクの部分転位
  11.4.2 ローマー-コットレルの不動転位
11.5 最密六方結晶における転位
11.6 体心立方結晶における転位
  11.6.1 完全転位
  11.6.2 部分転位
  11.6.3 完全転位間の反応
  11.6.4 塑性変形の特徴
  11.6.5 臨界せん断応力の温度依存性
11.7 降伏現象
  11.7.1 軟鋼の降伏現象
  11.7.2 軟鋼の降伏現象の説明
  11.7.3 純Fe単結晶の降伏現象
  11.7.4 ギルマン-ジョンストン理論による降伏現象の説明
  11.7.5 2種の降伏現象の比較
11.8 金属の強さ
  11.8.1 ひげ結晶
  11.8.2 純金属の降伏応力
  11.8.3 純金属の加工硬化
11.9 まとめ
付録
1. 参考書
1.1 単行本
1.2 雑誌
2. 物理定数表
3. 単位換算表
4. 金属の弾性定数表
5. 応力換算表
6. 温度換算表
7. ギリシャ文字の読み方
8. 西暦対照表
索引

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幸田 成康(コウダ シゲヤス)

「Materia」2023年3月号 掲載日:2023/03/23