伝熱工学

機械系 大学講義シリーズ 20

伝熱工学

伝熱工学は熱工学の中で最も工学分野に近い領域に位置している。本書では,類似の物理現象をまとめた章立てを基本にし,要点が理解できるよう構成されている。各章末には,題材に身近な工学問題を取り入れているのが特徴。

ジャンル
発行年月日
2009/05/07
判型
A5 上製
ページ数
218ページ
ISBN
978-4-339-04054-8
伝熱工学
品切れ・重版未定

定価

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伝熱工学は熱工学の中で最も工学分野に近い領域に位置している。本書では,類似の物理現象をまとめた章立てを基本にし,要点が理解できるよう構成されている。各章末には,題材に身近な工学問題を取り入れているのが特徴。

1 伝熱工学の基礎
 1.1 伝熱工学とは
 1.2 熱移動量
 1.3 熱輸送量を支配する要素
 1.4 伝熱の形態の種類
 1.5 各伝熱過程における基礎事項
  1.5.1 熱伝導
  1.5.2 対流伝熱
  1.5.3 ふく射伝熱
 1.6 伝熱モデルの作成
  1.6.1 検査体積内のエネルギーの釣合い(保存)
  1.6.2 表面を通過するエネルギーの釣合い(保存)
 1.7 伝熱の等価回路
 1.8 全熱通過率と全熱抵抗
 1.9 単位と次元
 1.10 まとめ
2 定常熱伝導
 2.1 熱伝導現象の基礎
  2.1.1 熱伝導
  2.1.2 フーリエの法則(熱伝導の基本式)
  2.1.3 熱伝導率の一般的性質
 2.2 熱伝導の基礎式
 2.3 境界条件と初期条件
 2.4 定常1次元熱伝導
  2.4.1 直線的熱流(1次元的熱の流れ)
  2.4.2 円筒壁内の半径方向熱流(1次元的熱の流れ)
  2.4.3 球殻内の半径方向熱流(1次元的熱の流れ)
 2.5 積層壁を通しての定常1次元熱伝導
  2.5.1 積層平板内の直線的熱流
  2.5.2 等価回路アナロジー
  2.5.3 積層円筒と積層球殻内の半径方向熱伝導
 2.6 接触熱抵抗
  2.6.1 接触熱抵抗の概念
  2.6.2 接触熱抵抗の評価
 2.7 熱伝導の数値計算手法
  2.7.1 差分近似
  2.7.2 差分近似による熱伝導の基礎式
  2.7.3 差分近似された基礎方程式の解法(導入部のみ)
 2.8 拡大伝熱面(フィン)
  2.8.1 フィンの原理
  2.8.2 フィン効率とフィン有効度
   演習問題
3 非定常熱伝導
 3.1 非定常熱伝導の基礎
  3.1.1 非定常伝熱現象
  3.1.2 非定常熱伝導の基礎式
 3.2 非定常熱伝導による温度変化
  3.2.1 3次元非定常熱伝導の基礎式
  3.2.2 非定常熱伝導による温度変化の解析解の例
  3.2.3 ラプラス変換
  3.2.4 内部温度が時間のみの関数か場所と時間の関数であるかの評価規準(ビオー数)
 3.3 非定常伝熱による温度変化の線図による計算
  3.3.1 ハイスラー線図
  3.3.2 ハイスラー線図の使用方法
   演習問題
4 強制対流伝熱―境界層と層流熱伝達―
 4.1 熱伝達の基礎
 4.2 熱伝達の分類
  4.2.1 流れの駆動力による分類
  4.2.2 流れの性質による分類
 4.3 粘性流体の流れ
  4.3.1 境界層の概念
  4.3.2 境界層の遷移(層流境界層と乱流境界層)
  4.3.3 境界層内の流れの基礎式
 4.4 非粘性流体の流れ
  4.4.1 非粘性流動の基礎方程式
  4.4.2 圧縮性非粘性流体の流動(全温度,全圧力)
 4.5 境界層方程式の解き方
  4.5.1 流れ関数を用いての境界層方程式の解法
  4.5.2 境界層内流れの近似解法(vonKarmanの近似解法)
 4.6 層流強制対流熱伝達(基礎)
  4.6.1 温度境界層の概念
  4.6.2 流体のエネルギー方程式の導出
  4.6.3 境界層におけるエネルギー方程式
  4.6.4 プラントル数
  4.6.5 エネルギー方程式の解
 4.7 層流強制対流熱伝達(熱伝達率の評価)
  4.7.1 一様温度の平板上の局所熱伝達率
  4.7.2 ヌセルト数(無次元熱伝達率)
  4.7.3 平均熱伝達率
  4.7.4 一定の熱流束で加熱される平板の熱伝達率
 4.8 管内流の熱伝達
  4.8.1 平板境界層と管内境界層の相違
  4.8.2 発達領域の管内層流境界層内の速度分布と温度分布
  4.8.3 混合平均温度
  4.8.4 管内流の熱伝達率
   演習問題
5 強制対流伝熱―乱流熱伝達と実験式―
  5.1 乱流境界層
  5.1.1 乱流の概念と基礎理論
  5.1.2 乱流の速度分布
  5.1.3 乱流境界層の性質(プラントルの混合長)
  5.1.4 乱流境界層厚さ
 5.2 乱流熱伝達
  5.2.1 乱流熱伝達率の評価
  5.2.2 乱流強制対流の熱伝達率の実験式による評価
 5.3 強制対流熱伝達の実験式による評価
  5.3.1 実験式
  5.3.2 強制対流熱伝達に関連した実験式とその使用例
   演習問題
6 自然対流伝熱
 6.1 自然対流熱伝達の基礎
  6.1.1 自然対流とは
  6.1.2 自然対流熱伝達
 6.2 垂直平板まわりの自然対流
  6.2.1 垂直平板まわりの自然対流の様子
  6.2.2 自然対流境界層内の温度分布と速度分布
  6.2.3 自然対流境界層内の基礎方程式
  6.2.4 プロフィル法による温度分布と速度分布の解析
  6.2.5 局所熱伝達率
  6.2.6 平均熱伝達率
 6.3 閉空間内での自然対流
  6.3.1 側壁を加熱冷却される鉛直閉空間内の自然対流
  6.3.2 上下壁を加熱冷却される閉空間内の自然対流
 6.4 自然対流熱伝達の熱伝達率に関する実験式
  6.4.1 同心水平二重円筒間げき内の自然対流
  6.4.2 同心二重球殻間げき内の自然対流
 6.5 周囲流体に流れがある場合の自然対流
   演習問題
7 沸騰伝熱
 7.1 相変化と潜熱
  7.1.1 相変化
  7.1.2 潜熱
 7.2 沸騰熱伝達
  7.2.1 沸騰現象
  7.2.2 沸騰熱伝達の特徴
  7.2.3 沸騰熱伝達の整理
  7.2.4 沸騰熱伝達率
 7.3 プール沸騰における熱伝達(抜山の飽和プール沸騰の実験と沸騰曲線)
 7.4 沸騰熱伝達の実験式と影響因子
  7.4.1 沸騰熱伝達の実験式
  7.4.2 沸騰伝熱の影響因子
   演習問題
8 凝縮伝熱と固液相変化伝熱
 8.1 凝縮現象と凝縮伝熱
  8.1.1 凝縮伝熱
  8.1.2 凝縮の形態
  8.1.3 凝縮熱伝達率
 8.2 垂直平板上の層流膜状凝縮熱伝達
 8.3 他の形態の層流膜状凝縮熱伝達
 8.4 乱流膜状凝縮熱伝達
 8.5 溶融・凝固伝熱
  8.5.1 溶融・凝固を伴う熱伝導問題
  8.5.2 液相内に自然対流が生じるときの溶融・凝固伝熱
   演習問題
9 物質伝達
 9.1 物質伝達とは
  9.1.1 物質拡散
  9.1.2 対流物質移動(対流物質伝達)
 9.2 物質の拡散移動と対流物質移動
  9.2.1 拡散の基礎式
  9.2.2 拡散を分子の移動から見た場合
  9.2.3 対流と拡散の共存する場合
 9.3 物質伝達と熱伝達のアナロジー
  9.3.1 物質伝達率
  9.3.2 物質伝達の無次元相関式
 9.4 理想気体の混合気の濃度
   演習問題
10 ふく射伝熱
 10.1 ふく射の基礎
  10.1.1 ふく射とはなにか
  10.1.2 プランクの黒体ふく射とウィーンの変位則
  10.1.3 物体から放射される電磁波のエネルギー強度(ステファン-ボルツマンの法則)
  10.1.4 物体によるふく射の反射,吸収,透過
  10.1.5 物体からのふく射の射出と射出率
  10.1.6 黒体と灰色体,実在物体
 10.2 ふく射伝熱の概念
  10.2.1 平行平板間のふく射伝熱
  10.2.2 立体角と形態係数
  10.2.3 有限の大きさの黒体面間のふく射伝熱
 10.3 物体表面間のふく射伝熱
  10.3.1 入射ふく射と射度
  10.3.2 非黒体面間のふく射伝熱
   演習問題
11 熱交換と熱交換器
 11.1 熱交換の基礎
  11.1.1 熱通過と熱通過率
  11.1.2 熱通過による流体の流れ方向への温度変化
  11.1.3 対数平均温度差
 11.2 熱交換器
  11.2.1 熱交換器の種類
  11.2.2 熱交換器の性能
  11.2.3 熱交換器の性能変化
   演習問題
付録
引用・参考文献
演習問題の解答
索引

黒崎 晏夫(クロサキ ヤスオ)

佐藤 勲(サトウ イサオ)