半導体の光物性

半導体の光物性

半導体の光物性という学問体系をイメージとして理解してもらうことを趣旨とし,豊富な図を用いて説明した。

ジャンル
発行年月日
2013/08/30
判型
A5
ページ数
366ページ
ISBN
978-4-339-00852-4
半導体の光物性
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本書は,半導体の光物性という学問体系をイメージとして理解してもらうことを趣旨としている。思考を展開するための道具としての理論を詳細に解説し,かつ,理論に対応した概念や計算と実験結果を豊富な図によって説明している。

1.半導体の基礎物性
1.1 結 晶 構 造
1.1.1 基本結晶格子
1.1.2 ブリルアンゾーン
1.2 フォノン
1.2.1 フォノンの基礎
1.2.2 閃亜鉛鉱型半導体のフォノン
1.2.3 ウルツ鉱型半導体のフォノン
1.2.4 混晶半導体のフォノン
1.3 バンド構造
1.3.1 バンド構造の基礎
1.3.2 閃亜鉛鉱型半導体のバンド構造
1.3.3 ウルツ鉱型半導体のバンド構造
1.3.4 混晶半導体のバンドギャップエネルギーと格子定数
1.4 励起子
1.4.1 励起子状態の基礎理論
1.4.2 励起子の微細構造
1.5 量子井戸構造と超格子
1.5.1 ヘテロ接合とバンド不連続性
1.5.2 量子井戸構造のサブバンド状態
1.5.3 超格子のミニバンド構造
1.5.4 超格子のフォノン

2.光物性の基礎理論
2.1 光物性の電磁波論
2.1.1 マクスウェル方程式からポラリトン方程式へ
2.1.2 誘電関数
2.1.3 ポラリトン
2.2 バンド間遷移の量子論
2.2.1 直接遷移確率
2.2.2 結合状態密度と直接遷移の吸収係数
2.2.3 間接遷移確率と吸収係数
2.3 励起子遷移の量子論
2.4 不純物が関与する光学遷移の量子論
2.4.1 バンド-不純物間遷移
2.4.2 ドナー-アクセプター対発光
2.4.3 等電子トラップによる発光過程
2.5 再結合発光速度と吸収係数の関係
2.6 オージェ再結合

3.励起子の光学応答
3.1 励起子による吸収と反射
3.2 励起子発光
3.2.1 発光効率
3.2.2 自由励起子発光と束縛励起子発光
3.2.3 励起子発光ダイナミクス
3.2.4 弱局在励起子発光
3.2.5 励起子ポラリトン発光
3.3 励起子分子光学応答
3.3.1 励起子分子の基礎理論
3.3.2 励起子分子発光
3.3.3 2光子共鳴励起光学応答
3.3.4 励起子分子量子ビート
3.4 励起子非弾性散乱過程による発光
3.4.1 励起子非弾性散乱過程による発光の基礎理論
3.4.2 励起子-励起子散乱による発光と光学利得
3.4.3 励起子-電子散乱過程による発光と光学利得
3.5 薄膜における励起子重心運動の量子化と光学応答
3.6 励起子状態に対する格子ひずみ効果
3.6.1 閃亜鉛鉱型半導体における格子ひずみ効果の理論
3.6.2 光変調反射分光法
3.6.3 閃亜鉛鉱型ひずみエピタキシャル構造の励起子状態
3.6.4 ウルツ鉱型半導体における格子ひずみ効果の理論と励起子エネルギーシフト

4.電子・正孔プラズマの光学応答
4.1 多体効果の基礎理論
4.1.1 モット転移密度
4.1.2 バンドギャップ再構成
4.2 電子・正孔プラズマによる光学利得の理論
4.3 電子・正孔プラズマの発光スペクトルと光学利得スペクトル
4.4 電子・正孔液体(液滴)の発光スペクトル

5.ラマン散乱
5.1 ラマン散乱の基礎理論
5.1.1 ラマン散乱の電磁気学的側面
5.1.2 ラマン散乱の量子論的側面
5.2 ラマンテンソルとラマン散乱選択則
5.3 ラマン散乱の動的構造因子と空間の有限サイズ効果
5.4 LOフォノン-プラズモン結合モード
5.5 格子ひずみ効果
5.5.1 閃亜鉛鉱型半導体の光学フォノン振動数に対する格子ひずみ効果
5.5.2 ウルツ鉱型半導体の光学フォノン振動数に対する格子ひずみ効果

6.量子井戸構造・超格子の光物性
6.1 量子井戸構造におけるサブバンド構造の理論
6.1.1 単一量子井戸構造におけるサブバンドエネルギー
6.1.2 伝達行列法
6.1.3 バンド非放物線性
6.1.4 正孔サブバンド構造の厳密な解析
6.1.5 電場効果:量子閉じ込めシュタルク効果
6.2 量子井戸構造における励起子状態の理論
6.2.1 完全2次元系における励起子状態
6.2.2 有限ポテンシャルにおけるタイプⅠ励起子状態
6.2.3 有限ポテンシャルにおけるタイプⅡ励起子状態
6.3 量子井戸構造における光学遷移の量子論
6.3.1 バンド間遷移
6.3.2 サブバンド間遷移
6.3.3 励起子遷移
6.4 量子井戸構造における励起子光学応答
6.4.1 励起子による吸収と反射
6.4.2 励起子発光
6.4.3 励起子分子発光
6.4.4 荷電励起子発光
6.4.5 量子閉じ込めシュタルク効果と自己電気光学効果素子
6.4.6 励起子-励起子散乱
6.4.7 励起子量子ビートと励起子分子量子ビート
6.5 量子井戸構造におけるサブバンド間遷移とそのデバイス応用
6.5.1 サブバンド間吸収と量子井戸赤外光検出器
6.5.2 量子カスケードレーザー
6.6 超格子のミニバンド構造と有効質量
6.6.1 ミニバンド幅の分光学的評価
6.6.2 ミニバンド有効質量の分光学的評価
6.7 超格子におけるワニエ・シュタルク局在とブロッホ振動
6.7.1 ワニエ・シュタルク局在の理論的概略
6.7.2 ワニエ・シュタルク局在状態の形成
6.7.3 ワニエ・シュタルク局在状態における波動関数共鳴
6.7.4 ブロッホ振動の理論的概略
6.7.5 ブロッホ振動
6.8 GaAs/AlAsタイプⅡ超格子における励起子光学応答
6.8.1 Γ-Xサブバンド交差
6.8.2 タイプⅡ準直接遷移型励起子
6.8.3 タイプⅡ準直接遷移型励起子分子
6.8.4 タイプⅡ励起子-励起子分子系におけるボース統計性の発現
6.9 超格子におけるフォノンとラマン散乱
6.9.1 フォノンラマン散乱選択則
6.9.2 音響フォノンの折り返しモードと分散関係
6.9.3 音響フォノンの折り返しモードに対する界面の乱れの影響
6.9.4 光学フォノンの閉じ込めモードと分散関係
6.9.5 界面モード

引用・参考文献
索引

amazonレビュー

中山 正昭(ナカヤマ マサアキ)

「Electoronic Journal」(電子ジャーナル発行) 2013年10月号 掲載日:2013/10/16
上記雑誌に書評が掲載されました。
掲載文は以下の通りです
※転載については、電子ジャーナル様の許諾を得て行っております。

半導体の光物性は、光エレクトロニクスの基盤、半導体材料/デバイスの光学的評価の物理学の基礎として研究が進められてきた。本書は、電磁気学、量子力学、統計力学、固体物理学の学部レベルの知識を前提に、理工系の大学院生や企業の開発・研究者を主な対象とし、豊富なオリジナルデータや図表を用いてわかりやすく解説。半導体の基礎物性、光物性の基礎理論、励起子の光学応答、電子・正孔プラズマの光学応答、ラマン散乱、量子井戸構造・超格子の光物性の6編から成り、順を追って読み進めることで、学問体系をイメージとして理解できるようにまとめられている。

掲載日:2023/09/19

大阪公立大学大学院工学研究科国際シンポジウム 協賛広告

掲載日:2022/11/02

電子情報通信学会誌2022年11月号

掲載日:2019/10/01

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