実践 映像信号処理 - C言語を使って体感する -

実践 映像信号処理 - C言語を使って体感する -

デジカメや液晶テレビなど一般的な映像機器で用いられている信号処理技術について,初心者にもわかりやすく解説する。読者自身がPCを使って画像を確認しながら実験できるように,各課題の処理方法とプログラム例を示した。

ジャンル
発行年月日
2008/03/18
判型
B5
ページ数
170ページ
ISBN
978-4-339-00794-7
実践 映像信号処理 - C言語を使って体感する -
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定価

2,860(本体2,600円+税)

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デジカメや液晶テレビなど一般的な映像機器で用いられている信号処理技術について,初心者にもわかりやすく解説する。読者自身がPCを使って画像を確認しながら実験できるように,各課題の処理方法とプログラム例を示した。

序 映像機器と信号処理
1. 画像の基礎
1.1 撮像と表示
1.1.1 撮像管とブラウン管
1.1.2 固体撮像素子
1.1.3 液晶ディスプレイ
1.1.4 表示デバイスと特徴
1.2 画像の構造
1.2.1 画像を表すことば
1.2.2 ディジタル画像
1.2.3 縦横比と解像度
1.2.4 非線形特性と量子化精度
1.3 カラー
1.3.1 光の3原色
1.3.2 色空間
1.3.3 カラー画像信号
1.4 画像ファイル
1.4.1 画像データ構造
1.4.2 ファイル構造
1.4.3 標準静止画像
1.5 画像の基礎実験演習
実験1 画像ファイルの入力と出力
実験2 画素値の変換
実験3 アドレス操作
実験4 色操作

2. 動画像の構造
2.1 走査構造
2.1.1 動画像概要
2.1.2 プログレッシブ走査とインタレース走査
2.1.3 動画像の形成
2.1.4 動画像の表示
2.2 フレーム構造
2.2.1 同期
2.2.2 有効画像とブランク
2.2.3 コンポーネントカラー
2.2.4 コンポジットカラー
2.3 動画像フォーマット
2.3.1 規格フォーマット
2.3.2 符号化用サブフォーマット
2.3.3 接続規格
2.4 動画像ファイル
2.4.1 データ構造
2.4.2 ファイル構造
2.4.3 各種ファイル
2.4.4 標準動画像
2.5 動画像の構造実験演習
実験1 フレーム操作
実験2 フレーム差分
実験3 フレーム混合
実験4 簡易インタレース走査変換

3. フィルタ処理
3.1 フィルタと周波数特性
3.1.1 映像信号の周波数
3.1.2 フィルタ
3.1.3 ディジタルフィルタ
3.2 各種フィルタ
3.2.1 LPF
3.2.2 HPF
3.2.3 BPF
3.2.4 エンハンサ
3.2.5 APF
3.2.6 メディアンフィルタ
3.3 フィルタ設計
3.3.1 特性仕様の設定
3.3.2 窓関数を用いた係数計算
3.3.3 タップ数と係数精度
3.3.4 演算処理精度
3.4 多次元フィルタ
3.4.1 2次元フィルタ
3.4.2 3次元フィルタ
3.5 フィルタ処理実験演習
実験1 1次元 LPF
実験2 2次元 LPF
実験3 2次元エンハンサ
実験4 時間軸 LPF

4. 画像の変換
4.1 変換概要
4.1.1 画像変換の目的
4.1.2 変換処理構成
4.2 画素値変換
4.2.1 画素値の変換
4.2.2 カラー変換
4.3 画像サイズ変換
4.3.1 簡易な縮小・拡大
4.3.2 リサンプリング
4.3.3 画像アスペクト比の変換
4.4 時間方向変換
4.4.1 走査構造の変換
4.4.2 フレームレート変換
4.4.3 フィールドレート変換
4.5 コンポジット信号変換
4.5.1 変換概要
4.5.2 Y-C分離合成
4.5.3 色信号復調変調
4.5.4 サンプルレート変換
4.6 画像の変換実験演習
実験1 画素変換
実験2 1/2縮小と2倍拡大
実験3 3/4縮小と4/3倍拡大
実験4 線形フレーム補間

5. ブロック処理
5.1 ブロック処理の概要
5.1.1 符号化でのブロック処理
5.1.2 畳込み処理とブロック処理
5.1.3 各種直交変換
5.2 DCT
5.2.1 1次元 DCT
5.2.2 2次元 DCT
5.2.3 3次元 DCT
5.2.4 演算精度
5.3 拡張処理
5.3.1 周波数特性操作
5.3.2 視覚特性量子化
5.3.3 オーバラップ
5.4 ブロック処理実験演習
実験1 DCTとIDCT
実験2 周波数特性操作
実験3 視覚特性量子化

6. 動き補償
6.1 動き補償の概要
6.1.1 動き補償の必要性
6.1.2 用途と必要性能
6.2 動き推定方法
6.2.1 ブロックマッチング
6.2.2 1/2画素,1/4画素精度処理
6.2.3 他の動き推定・補償方法
6.3 実践的動き推定処理
6.3.1 階層型処理
6.3.2 補間での動き推定
6.3.3 符号化での動き推定
6.4 参照画像の拡張
6.4.1 片方向と双方向
6.4.2 インタレース対応
6.5 動き補償実験演習
実験1 画素精度動き推定
実験2 1/2画素精度動き推定
実験3 階層型動き推定
実験4 動き補償フレーム補間

7. 適応処理
7.1 画像適応処理
7.1.1 処理概念
7.1.2 応用例
7.1.3 処理の切替え
7.2 画素適応処理
7.2.1 輝度補正
7.2.2 カラー補正
7.3 空間適応処理
7.3.1 周波数成分適応
7.3.2 空間方向適応
7.3.3 信号波形適応
7.3.4 適応 DCT
7.3.5 ブロック歪み軽減フィルタ
7.4 時間適応処理
7.4.1 動き適応
7.4.2 動き補償
7.5 適応処理実験演習
実験1 白色ノイズの加算
実験2 振幅適応LPFによるノイズ軽減
実験3 方向適応LPFによるノイズ軽減
実験4 動き適応時間フィルタによるノイズ軽減

8. 画質評価
8.1 画質評価の概要
8.1.1 画質評価のレベル
8.1.2 主観評価と客観評価
8.1.3 画質評価項目
8.1.4 特徴的な劣化
8.2 評価用画像
8.2.1 テストパターン
8.2.2 評価用自然画像
8.3 主観評価方法
8.3.1 視覚心理
8.3.2 評価環境とモニタ
8.3.3 評価方法
8.3.4 データ処理方法
8.4 客観評価方法
8.4.1 MSE
8.4.2 PSNR
8.4.3 WSNR
8.5 画質評価実験演習
実験1 MSE,PSNR算出
実験2 LPFを用いたWSNR算出
実験3 動画像PSNR算出
参考文献
索引

[本書の著者、杉山賢二先生の書籍紹介コメント]

映像機器は電子産業の中でも重要なものであり、民生電子機器の中核を成しています。また、日本が中心となって研究開発が行われてきた分野で、多くの新規格や新製品が日本から生まれています。近年の映像機器は、地上波ディジタル対応の薄型テレビに代表されるように、高解像度化・ディジタル化・高機能化が進んでいます。しかし、映像信号処理について基礎から学ぶことができる書籍は少なく、一般的な信号処理の理論を学んでも、それで実践的な処理を実現し、実際の映像機器に応用するのは容易ではありませんでした。

そこで、デジカメ・レコーダ・液晶テレビなど一般的な映像機器で使われている信号処理技術を対象とし、その研究開発や設計を行う上で必要となる基礎技術を学べるようにしたのが本書です。解説は極力やさしくし、大学レベルの数学、電子工学や情報理論についての知識がなくても理解できるようにしました。また、映像信号自体の性質をよく理解してもらうため、映像信号を静止画像と動画像に分け、体系的に解説しています。処理技術については、近年の映像機器で使われる技術は概ね網羅し、理論的な解説を行うのみでなく、良い結果を得るためのノウハウも示しました。

そして、本書の最大の特長として、映像信号処理実験をソフトウエア処理で行うため、その課題と解説に多くのページを割きました。これらは各章の技術解説に対応したもので、実際にパソコンでプログラムを作って実験し、処理画像を自分の目で確かめられます。その際、提示されている部分プログラムを応用して、自分で仕上げる形になっていますので、映像信号処理方法とプログラミング方法の両方を学ぶことができます。なお、実験で使う画像やビューワは、当方のホームページ ( http://www.ci.seikei.ac.jp/sugiyama/ )の「書籍情報」からダウンロード可能となっています。